米雇用統計 2024年12月6日(金)の結果と解説

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米労働省が2024126日に発表した11月雇用統計の主な結果は、①非農業部門雇用者数22.7万人増、②失業率4.2%、③平均時給35.61ドル(前月比+0.4%、前年比+4.0%)という内容であった。

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①11月の非農業部門雇用者数は前月比22.7万人増と市場予想の22.0万人増を小幅に上回った。米南東部に上陸した大型ハリケーンや、大手航空機メーカーの大規模ストライキによって押し下げられたと見られる前月分は1.2万人増から3.6万人増へわずかに上方修正された。その影響もあって、雇用情勢の基調を判断する上で重要視される3カ月平均の増加幅は前月時点の12.3万人から17.3万人へと拡大した。

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②11月の失業率は4.2%と前月の4.1%から上昇。市場予想も4.1%だった。フルタイムの職を希望しながらパート就業している人などを含めた広義の失業率である不完全雇用率(U-6失業率)も7.8%と前月の7.7%から上昇した。労働力人口に占める働く意欲を持つ人の割合である労働参加率は62.5%と前月から0.1ポイント低下。市場予想(62.7%)も下回った。

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③11月の平均時給は35.61ドルと前月の修正値35.48ドルから0.13ドル増加した。伸び率は前月比+0.4%、前年比+4.0%となり、いずれも市場予想(+0.3%、+3.9%)を上回った。20223月に+5.9%でピークを打った前年比の伸び率は今年7月に+3.6%まで低下したが、その後は下げ渋っている。

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11月雇用統計は、ハリケーンやストライキの影響が剥落したことから非農業部門雇用者数の伸びが加速した一方、天候やストなど一時的な要因の影響を受けにくい失業率は上昇した。しかも、失業率は労働参加率が低下したにもかかわらず悪化した形であり、金融市場は雇用統計が米労働市場の緩やかな軟化を示す内容だったと受け止めた。これにより、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における25bp0.25%ポイント)の利下げを、金利先物が9割方織り込む場面も見られた。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事が、今回の雇用統計について「失業率は上昇したとはいえ歴史的に見れば低い水準だ」と指摘した上で、「利下げは慎重かつ漸進的に進めたい」と述べたこともあって織り込みがやや後退するなど、市場は12月の利下げを確信するには至っていない。なお、11月失業率は4.2%へ上昇したが、FOMC9月に示した年末予測(10-12月の平均)の4.4%は依然として下回っており、この点から見れば12月利下げの論拠は乏しいことになる。

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米雇用統計発表後のマーケットの反応をプロの視点で解説。

米国 経済指標(失業率・非農業部門雇用者数)過去の推移

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