ローソク足とは?見方、種類、組み合わせパターンを解説

ローソク足とは?

ローソク足は、一目で為替レートの値動きが分かる優れものです。形が蝋燭(ろうそく)に似ていることから、ローソク足と呼ばれます。

ローソク足はチャート分析の基本で、FX取引には欠かせないツールです。初めて見ると難しそうに感じるかもしれませんが、基本的な見方さえ覚えてしまえばすぐに分析まで応用できるようになるでしょう。

ローソク足とは?動画で解説

ローソク足の見方

ローソク足のイメージ画像

ローソク足は1本で一定期間(日・週・月など)の始値(はじめね)、終値(おわりね)、高値、安値を表しています。

始値(はじめね) 期間(日・週・月など)の最初に提示されたレート
終値(おわりね) 期間(日・週・月など)の最後に提示されたレート
高値 期間(日・週・月など)の中でもっとも高い値段で提示されたレート
安値 期間(日・週・月など)の中でもっとも安い値段で提示されたレート

始値から終値までの四角い部分を「実体部」、実体部から伸びた高値や安値の線を「ヒゲ」と呼びます。

始値より終値のほうが高いローソク足は「陽線」、反対に始値より終値の方が低いローソク足は「陰線」と呼びます。実体部は通常、陽線の場合は白抜きまたは赤、陰線の場合は青または黒で表します。

なお、外国為替相場ではBidレートとAskレートがありますが、チャート上では基本的に、始値、高値、安値、終値のいずれもBidレートで表示されることになっています。

ローソク足には、1本のローソクで1日分の値動きを表す「日足(ひあし)」、1週間分を表す「週足(しゅうあし)」、1ヵ月分を表す「月足(つきあし)」、1年分を表す「年足(ねんあし)」など様々な種類があります。

日足チャートのイメージ画像

どの期間を単位とするローソク足を見るかは、取引スタイルにあわせて選びます。短期型トレードの場合なら「1分足」や「5分足」を中心に、中長期型なら「日足」や「週足」、「月足」などを参考にする方が多いようです。

ローソク足はどのように作られるのか?

ローソク足の作成手順は、まず始めに始値のラインを記入します。次に終値のラインを記入し、始値と終値のラインをつなげて四角形の実体部を作ります。終値の方が高い場合は「陽線」なので白抜きまたは赤、始値の方が高い場合は「陰線」なので青または黒で四角形を塗りつぶします。最後に実体部から伸びる高値や安値の線(ヒゲ)を付け加えて完成です。

ローソク足のイメージ画像
ローソク足のイメージ画像

ローソク足の種類

ローソク足には様々な種類があり、それぞれ相場のトレンドや転換点などを示すサインとして活用できるとされています。ここでは代表的なローソク足の形を紹介します。

大陽線・大陰線

大陽線・大陰線のイメージ画像

ほかのローソク足に比べて実体部が明らかに大きな陽線が出現した場合、「大陽線」と呼びます。始値から大幅に上昇したことを表し、相場の上昇が続くことを示すと言われますが、下落相場で出現した場合には転換点のサインとも言われます。

反対に、実体部が明らかに大きな陰線は「大陰線」と呼びます。始値から大きく下落したことを表し、下落相場が続くことを示します。

大陽線や大陰線に「始値から終値までの値幅が何銭以上」といった明確な定義はなく、前後のローソク足と比較して判断することになります。

小陽線・小陰線

小陽線・小陰線のイメージ画像

上下に短いヒゲがあり実体部が小さい陽線を「小陽線」、陰線の場合は「小陰線」と呼びます。「コマ」と呼ばれることもあります。

レンジ相場でよく見られ、相場の迷いや様子見ムードを表すと言われます。

陽線坊主・陰線坊主

陽線坊主・陰線坊主のイメージ画像

上下のヒゲがない陽線を「陽線坊主」と呼びます。買いの勢いが強く上昇一辺倒の相場であったことを表し、その後も上昇が続くことを示唆します。

同様に、上下のヒゲがない陰線を「陰線坊主」と呼び、売りの勢いが強く今後も下落が続くことを示唆します。

上影陽線・上影陰線

上影陽線・上影陰線のイメージ画像

上ヒゲが長い陽線を「上影陽線」、陰線の場合は「上影陰線」と呼びます。

どちらも高値圏で出現した場合には下落への転換のサインとされますが、安値圏で上影陽線が出た場合は上昇への転換を示すとも言われます。

下影陽線・下影陰線

下影陽線・下影陰線のイメージ画像

下ヒゲが長い陽線を「下影陽線」、陰線の場合は「下影陰線」と呼びます。

どちらも安値圏で出現した場合には上昇への転換のサインとされますが、高値圏で下影陰線が出た場合は下落への転換を示すとも言われます。

トンカチ

トンカチのイメージ画像

長い上ヒゲと短い実体部を持ち、下ヒゲがほぼない形のローソク足を「トンカチ」と呼びます。上影陽線・上影陰線の一種でもあり、始値から大きく上昇した後、大きく下落したことを表します。

陽線のトンカチが安値圏で出た場合や、陰線のトンカチが高値圏で出た場合には、相場の転換を示すと言われます。

カラカサ

カラカサのイメージ画像

トンカチとは反対に、長い下ヒゲと短い実体部を持ち、上ヒゲがほぼない形のローソク足を「カラカサ」と呼びます。下影陽線・下影陰線の一種でもあり、始値から大きく下落した後に大きく上昇したことを表します。

どちらも安値圏で出た場合は上昇への転換を、高値圏で出た場合は天井(上昇トレンドが終わるポイントのこと)を示すと言われます。

十字線

十字線のイメージ画像

始値と終値が同じで上ヒゲと下ヒゲの長さが同じくらいであるローソク足を「十字線」と呼びます。「寄引同事線(よりひきどうじせん)」とも呼ばれます。

売り買いの勢力が拮抗していることを表し、高値圏や安値圏で出現した場合は相場の転換を示唆する場合もあります。

トンボ

トンボのイメージ画像

始値と終値が同じ水準で実体部がほぼなく、下ヒゲが長いローソク足を「トンボ」と呼びます。

始値から大きく下落したものの、終値は始値と同価格まで戻したことを表し、相場の転換を示すとされます。

トウバ

トウバのイメージ画像

始値と終値が同じで上ヒゲが長いローソク足を「トウバ」と呼びます。

始値から大きく上昇したものの、終値は始値と同価格まで下落したことを表し、高値圏で出た場合は相場の上げ止まりを示すとされます。

これらのローソク足が示すサインから予想される動きは絶対的なものではありません。実際の相場分析の際には、ほかのテクニカル指標も参考にするなど、様々な情報をもとに判断することが大切です。

ローソク足を組み合わせたパターン

ローソク足を組み合わせたパターンのイメージ画像

複数のローソク足のパターンから相場を読み解く方法もあります。代表的なものを紹介します。

包み線(抱き線)

包み線(抱き線)のイメージ画像

連続する2つのローソク足で、新しい方が古い方を完全に包み込む形を「包み線(抱き線)」と呼びます。

陽線が陰線を包んでいる場合は上昇への転換、陰線が陽線を包んでいる場合は下落への転換を示すとされます。

はらみ線

はらみ線のイメージ画像

包み線とは逆に、連続する2つのローソク足で新しい方が古い方の値動きの範囲内に入っている形を「はらみ線」と呼びます。

はらみ線もトレンドの転換を示すとされます。

酒田五法(さかたごほう)

酒田五法(さかたごほう)のイメージ画像

「酒田五法」とは、ローソク足の考案者とも言われる江戸時代の相場師の本間宗久が確立したとされる、複数のローソク足から相場を読み解く手法です。

「三山」「三川」「三空」「三兵」「三法」の五つから成り、本間宗久の出身地である「酒田」の地名をとって「酒田五法」と呼ばれています。

三山(さんざん)

三山(さんざん)のイメージ画像

上昇相場で上げ下げを3回繰り返して三つの山を形成した場合を「三山(さんざん)」と呼びます。特に真ん中の山が最も高い場合を「三尊(さんぞん)」とも呼びます。

三山が見られた場合は、相場が下落に向かう可能性が高いとされます。

三川(さんせん)

三川(さんせん)のイメージ画像

三山と反対に、下落からの上昇を3回繰り返して三つの谷を形成した場合は「三川(さんせん)」と呼びます。特に真ん中の谷が最も深い場合を「逆三尊(ぎゃくさんぞん)」とも呼びます。

三川が見られた場合は、相場が上昇に向かう可能性が高いとされます。

三空(さんくう)

三空(さんくう)のイメージ画像

ある1本のローソク足とその右隣のローソク足との間に上下方向の隙間ができたときに、その隙間を「窓」といいます。「窓」とは、相場の一気の上げまたは下げにより、前日終値と翌日始値が重ならないことで発生します。

3回連続で窓が出現した場合を「三空(さんくう)」と呼びます。相場の転換を示唆し、上昇トレンドでの出現ならば売り、下降トレンドでの出現ならば買いのサインであるとされます。

三兵(さんぺい)

三兵(さんぺい)のイメージ画像
赤三兵の先詰まりのイメージ画像

陽線または陰線が連続して3本現れた場合を「三兵(さんぺい)」と呼びます。陽線の場合を「赤三兵」、陰線の場合を「黒三兵」とも呼びます。

陽線の場合は強い上昇を示す買いのサイン、逆に陰線の場合は強い下落を示す売りのサインとして活用されます。ただし、陽線でも長い上ヒゲが出ている場合は「赤三兵の先詰まり」と呼ばれ、上昇力が弱まっているため売りのサインと見ることもあります。

三法(さんぽう)

三法(さんぽう)のイメージ画像
上げ三法のイメージ画像

上昇と下落を繰り返し、相場の方向性が定まらない状態(レンジ相場)を「三法(さんぽう)」と呼びます。このような場合は取引を休み、相場が動き出したら取引を始めるのがよいとされます。

大陽線が出た後に陰線が3本出て、再び大陽線が出るパターンを「上げ三法」と呼びます。方向感が定まらないうちは相場の小休止と見ますが、大陽線が出てレンジ相場の高値を上に抜けると上昇を示し、買いのサインとされます。この逆のパターンは「下げ三法」と呼びます。

ローソク足のプライスアクションを利用した取引手法

ローソク足の基本的な見方を覚えたら、「プライスアクション」についても学んでみるとよいでしょう。「プライスアクション」とは、ローソク足から読み取れる値動きそのものに注目して相場分析を行う手法のことです。

プライスアクションは欧米の投資家がよく用いる手法です。欧米の投資家たちの動向が市場に与える影響は大きいため、彼らがトレードに利用するプライスアクションを押さえておくことは、日本のトレーダーにとっても重要です。

プライスアクションは、大きく分けて3つのタイプがあります。

  • トレンド継続
  • 転換
  • レンジ

ここでは各タイプからひとつずつ、FX初心者が覚えるべきプライスアクションをご紹介します。

スラスト(トレンド継続のプライスアクション)

スラストアップのイメージ画像

直前のローソク足の高値を上回る価格で、次のローソク足の終値が確定することを「スラストアップ」と呼びます。反対に、直前のローソク足の安値を下回る価格で次のローソク足の終値が確定することを「スラストダウン」と呼びます。

連続してスラストアップやスラストダウンが出現した場合、上昇や下落の勢いが強いことを示しており、「順張り(トレンドフォロー)」でトレードするときの判断基準となります。

ピンバー(転換のプライスアクション)

ピンバーのイメージ画像

ヒゲが長く実体部が非常に短いローソク足を「ピンバー」と呼びます。大きく値が動いたものの、その後戻したことを表し、相場の転換(や一時的な停滞)を示唆するとされます。

インサイド/アウトサイド(レンジのプライスアクション)

インサイドとアウトサイドのイメージ画像

あるローソク足の範囲内に、次のローソク足が収まることを「インサイド」と呼びます。反対に、あるローソク足の範囲内に直前のローソク足が収まる形を「アウトサイド」と呼びます。

いずれも相場の停滞を示します。基準となるローソク足の範囲内に複数のローソク足が収まることもあり、その後に強いトレンドが発生しやすいと言われます。

「FX初心者は順張りから」とよく言われます。相場の方向感がない状態で、初心者がトレードするのはかなり難しいからです。「インサイド」が見られたら、いったんはトレンドが収束し、持ち合い相場に突入することが予想されますので、FX初心者は無理せず、次のトレンド発生まで待つ判断が賢明でしょう。

ローソク足の設定方法や色の変更方法

外為どっとコムの「外貨ネクストネオ」リッチアプリ版では、ローソク足の単位期間やカラーを変更することができ、自分好みの画面にカスタマイズできます。

ローソク足の単位期間を変更するには、チャート画面上部の左から2番目にあるプルダウンリストから、好きなものを選択します。

ローソク足のカラー変更方法のイメージ画像

ローソク足のカラーを変更する方法は、次の通りです。

  1. チャート画面の左側にあるメニュー欄の、上から6つ目の「テクニカル・デザイン設定」ボタンをクリック
  2. 「チャート」をクリック
  3. 「ローソク陽線(塗)」「ローソク陰線(塗)」などから、変更したいもののカラーをクリック
  4. カラーパネルから設定したいカラーを選んでクリック
  5. 「OK」→「適用」の順にクリック
ローソク足のカラー変更方法2のイメージ画像

「外貨ネクストネオ」のその他の使い方や設定方法については、マニュアルをご参照ください。

まとめ

ローソク足の形にはパターンがあり、読み解くことで今後の動きを予測できる。

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