世界の通貨 南アフリカ

南アフリカのお金の種類は?

南アフリカの通貨単位は「ランド(「R」あるいは「ZAR」と表記されます)」といいます。また、補助通貨として「セント(「c」で表記されます)」もあり、100セントは1ランドに相当します。

南アフリカでは、5種類の紙幣と、9種類の硬貨が流通しております。

紙幣 10ランド、20ランド、50ランド、100ランド、200ランド
硬貨 1セント、2セント、5セント、10セント、20セント、50セント、1ランド、2ランド、5ランド
200ランド札のイメージ画像

南アフリカの紙幣は5種類存在します。紙幣には「ビッグファイブ」と呼ばれる動物たちがそれぞれ印刷されています。サファリで人気なライオン、ゾウ、サイ、バッファロー、ヒョウの5種類です。南アフリカランド紙幣では、この5種類の動物がデザインとして使用されています。また、5種類すべての紙幣の表面に南アフリカの英雄であるマンデラ氏が記載されているのも特徴的です。

南アフリカランドへの投資

南アフリカは、金やダイヤモンドなどの鉱物資源の埋蔵量が世界で有数の資源大国です。そのため、南アフリカランドは資源国通貨に分類されます。資源価格が上がれば、通貨価値が上昇する特徴があります。ランドを取引する際は、資源価格の動向をチェックする必要があるでしょう。

また、南アフリカランドは高金利通貨として人気があります。2024年7月現在の南アフリカ準備銀行(SARB)の政策金利は8.25%となっています。低金利である円と金利差が拡大している為、対円で南アフリカランドの買いポジションを保有することで、高いスワップポイントの獲得が期待できるでしょう。

ただし、南アフリカの信用格付けは低くなっており、経常収支の赤字が慢性化しているため、取引を行う際には適切なリスク管理が必要です。

南アフリカランド相場の推移

南アフリカ・ランド円相場の推移のイメージ画像

①2004年あたりからは、高金利に着目したランド買いなどもあって、ランド円相場は堅調に推移。2006年には20円付近まで上昇しました。

②2008年10月には世界金融不安のあおりを受けて7円台にまで下落して当時の史上最安値を更新しました。

③中国経済の減速に伴う資源価格の下落を受けて南アフリカ経済は停滞しました。

④コロナ禍以降、南アフリカ準備銀行(SARB)が利上げを進めていく一方、日本は低金利を継続している為、金利差が拡大し、南アフリカランド/円は上昇傾向にあります。

南アフリカランドの変動要因

経常収支

南アフリカは上述の通り、経常赤字が慢性化しています。経常収支の赤字は取引において受け取りより支払いの方が多いことを意味する為、通貨安要因となります。今後、南アフリカの経常赤字がさらに拡大するとランド売りが活発化する可能性があります。

資源価格の動向

前述のように、「資源国通貨」に分類される為、資源価格の動向に大きな影響を受けます。貴金属や鉄鉱石の価格が上昇するとランド買い、資源安局面ではランド売りが強まる傾向にあります。原油価格に連動しやすいカナダドルや豪ドルなどの他の資源国通貨の動向もチェックする必要があるでしょう。

南アフリカ準備銀行(SARB)の政策金利

政策金利とは中央銀行が誘導目標にしている短期金利のことを意味し、金利を調整することで景気の過熱や失速を防ぐ役割があります。南アフリカの政策金利は、南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策委員会によって発表され、現在の南アフリカの政策金利は8.25%となります。

南アフリカランド投資を始めるには

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南アフリカの基礎知識

正式名称
南アフリカ共和国
首都
プレトリア
公用語
英語、アフリカーンス語、スワジ語など11言語
独立日
1910年5月31日
政治
南アフリカは共和制のもと、議会は二院制(全国州評議会、国民議会)を採用
大統領
シリル・ラマポーザ
中央銀行
南アフリカ準備銀行
南アフリカの歴史
それまでは主に狩猟民族が住んでおりましたが、15世紀にはバーソロミュー・ディアスが南アフリカの南端・喜望峰に到達し、1652年にオランダ東インド会社のヤン・ファン・リーベックがやってきて喜望峰を中継基地としたことをきっかけに、南アフリカはオランダの植民地になりました。
18世紀の終わり頃になると金やダイヤモンドの鉱脈を狙って、イギリス人がやってくるようになり、19世紀に入るとオランダからイギリスへ正式に譲渡され、今度はイギリス植民地になりました。現在でも英語が南アフリカの公用語になっておりますが、それはこのときのイギリスによる植民地支配が発端でした。
1910年5月31日に、4州からなる南アフリカ連邦として統合独立しましたが、その後は白人労働者保護のための人種差別法、鉱山・労働法が制定されたため、1990年代にアパルトヘイト政策(人種隔離政策)が廃止されるまでの長期間にわたって黒人差別が横行するようになりました。
アパルトヘイトが廃止されて、法の下では黒人と白人が平等になったものの、現在に至るまで人種間の経済格差が残っております。ヨーロッパ系とアフリカ系の間では、平均所得に5倍ほどの差が存在し、所得格差を示すジニ係数が世界で最も高いのが現状です。今後着実に経済成長を成し遂げていくには、雇用情勢の改善が急務と言えるでしょう。

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出典