世界の通貨 ノルウェー
ノルウェーのお金の種類は?
ノルウェーの通貨単位は「クローネ(「kr」または「NOK」で表記されます)」といいます。補助通貨はオーレ(ore)で、100オーレは1クローネに相当します。
ノルウェーでは、5種類の紙幣と5種類の硬貨が流通しています。
紙幣 | 50クローネ、100クローネ、200クローネ、500クローネ、1000クローネ |
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硬貨 | 1クローネ、5クローネ、10クローネ、20クローネ |
ノルウェーの紙幣は海をテーマにデザインされています。こちらに記載の200クローネの紙幣には「私たちに食料を与える海」というテーマがあります。自然環境に恵まれ、漁業が盛んなノルウェーらしいデザインとなっています。
ノルウェーは世界で最もキャッシュレス化が進んでいる国であり、現金決済は全体の4%とかなり小さくなっています。そのため、今後は紙幣ではなく、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入が検討されているようです。
ノルウェークローネへの投資
ノルウェーの主要産業は、石油や天然ガスなどの生産で、輸出の4割を占めるため、ノルウェークローネは豪ドルやカナダドルと同様に「資源国通貨」に分類されます。そのため、資源価格の変動の影響を大きく受けるという特徴があります。また、ノルウェー経済は多様化しており、石油だけでなく漁業や製造業なども重要な産業です。これにより、1つの産業に依存せず、安定した経済基盤を保っていることがノルウェークローネの強みでもあります。
ノルウェーは財政が健全な国として知られています。ノルウェーの基礎的財政収支(プライマリーバランス)対GDP比は世界第2位となっています。プライマリーバランスとは、社会保障や公共事業をはじめ様々な行政サービスを提供するための経費(政策的経費)を税収等でまかなえているかどうかを示す指標です。ノルウェーはこの数値が黒字な為、財政が安定していると言えます。財政の健全性がノルウェークローネへの投資の魅力の1つとも考えられるでしょう。
ノルウェーの政策金利は2024年7月時点で4.5%となっています。低金利の日本との金利差が拡大している為、対円でノルウェークローネの買いポジションを保有することで高いスワップポイントの獲得が期待できます。
ノルウェークローネ/円相場の推移
①2008年のリーマンショックが発生したことで、円買いが進み、1NOK=13円ほどまで下落しました。
②2014~15年の中国経済の減速、2016年のブレグジットによってリスクオフの円買いが進行し、ノルウェークローネ/円は下落しました。
③2020年に発生したコロナショックによって円買いが進行しました。
④2021年9月に最初の利上げをした以降、高インフレを抑制するべく利上げを継続した一方、日本は低金利を続けた為、ノルウェークローネ/円は上昇しました。
ノルウェークローネの変動要因
原油相場の動向
上述のように、ノルウェーは原油や天然ガスの輸出に占める割合が大きくなっています。そのため、資源価格の変動に影響を受けやすいことが特徴です。ノルウェークローネを取引する際は資源価格の動向を注視することで、相場予測がしやすくなるでしょう。
ユーロ相場の動向
ノルウェーの貿易相手国を見ると、欧州各国が大きな割合を占めます。欧州諸国との経済的な結びつきが強固である為、ノルウェークローネ/円相場はユーロ/円相場との相関性が高いという特徴を持っています。
ノルゲバンク(ノルウェー中央銀行)の政策金利
政策金利とは、景気や物価の安定などの金融政策の目的を達成するために、中央銀行が誘導目標にしている短期金利のことを指します。ノルウェーの政策金利はノルゲバンク(ノルウェー中銀)の金融政策決定会合で発表されます。現在の政策金利は4.5%となっています(2024年7月現在)
ノルウェークローネ投資を始めるには
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ノルウェーの基礎知識
- 正式名称
- ノルウェー王国
- 首都
- オスロ
- 公用語
- ノルウェー語
- 政治
- 立憲君主制のもと、議会は一院制
- 首相
- ヨーナス=ガール・ストーレ
- 元首
- ハーラル5世
- 中央銀行
- ノルウェー中央銀行(Norges Bank)
- ノルウェーの歴史
- ノルウェーは「北の道」を意味します。紀元前4世紀には北ゲルマン系のノルマン人が現在のノルウェーに定住し、それが現在のノルウェー人の基礎となっています。8世紀から300年以上にわたるヴァイキング時代には、デンマーク・スウェーデンヴァイキングとともに海外に通商、略奪、探検で進出し、9世紀終わりにはハーラル1世が沿岸部を統一し、スカンジナビア最初の統一王国を築いたとされています。
11世紀に一時デンマークに併合されたノルウェーは12世紀末には独立を回復し、スヴェッレ朝のもとで13世紀後半に最盛期を迎えましたが、14世紀末にデンマークが中心となって、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーが一人の君主のもとに同盟を結ぶカルマル同盟が成立(1397年)、ノルウェーは実質的にデンマークに支配され、1536年には形式上の独立国家の地位を失いました。
19世紀にはナポレオン戦争でフランス側についたデンマークが敗れたことで、ノルウェーはスウェーデンとの同君連合を受け入れることになりましたが、19世紀半ばからの民族主義の昂揚とともに、ノルウェーでも独立を求める機運が強まり、1905年にスウェーデンとの交渉の結果、無血の独立を達成し、立憲君主制のノルウェー王国が誕生しました。
第2次世界大戦中にはドイツに占領されましたが、戦後独立を回復。冷戦下では北大西洋条約機構(NATO)に加盟。1959年には欧州自由貿易連合(EFTA)に加盟しましたが、1972年には欧州共同体(EC)加盟を国民投票で否決し、1994年には欧州連合(EU)加盟を国民投票で否決しました。
21世紀に入ってから、ノルウェーは気候変動対策とエネルギー政策の課題に直面しています。石油産業に依存しつつも、再生可能なエネルギーの開発に力を入れ、持続可能な社会を目指しています。このバランスをとることが、現在のノルウェーの大きな挑戦となっています。また、移民の増加に伴い、多文化共生の課題も浮上しています。ノルウェーは、多様な文化背景を持つ人々が共に暮らす社会を目指し、法制度や教育制度の整備を進めています。しかし、異文化理解や差別問題など、解決すべき問題は依然として残っています。