世界の通貨 中華人民共和国

中華人民共和国のお金の種類は?

中華人民共和国の通貨単位は「人民元(CNH)」といいます。ただし、「人民元」は日本における呼称で、中国では「人民幣(じんみんへい)」と表記されます。香港では独自の通貨「香港ドル」が使用されており、人民元とは別で扱われます。

中華人民共和国では、6種類の紙幣と6種類の硬貨が流通しています。

紙幣 (1角、2角、5角:現在発行はしていないが流通)1元、5元、10元、20元、50元、100元
硬貨 1分、2分、5分、1角、5角、1元
50元札のイメージ画像

人民元紙幣は偽造防止技術が採用されています。最近は様々な紙幣においてマイナーチェンジが行われ、偽造防止の技術が向上しています。

紙幣は1・5・10・20・50・100元の6種類があり、すべての紙幣に毛沢東の肖像画が採用されています。

人民元への投資

中国は、中国共産党による一党支配のなか、経済面では安定した経済成長を遂げています。2010年に国内総生産(GDP)で日本を抜き、以降は世界第2位の経済大国と成りました。また、IMF(国際通貨基金)が加盟国の準備資産を補完する手段として定めたSDR(特別引出権)に人民元が組み込まれたことで、元の信用度が高まりました。SDR入りは「国際通貨」として公認されたことを意味するからです。人民元は通貨としての安定性と将来性を兼ね備えており、投資対象として魅力的だと考えられるでしょう。

中国の政策金利は3.45%(2024年7月現在)であり、超低金利の日本とは大きな差があります。円に対して人民元の買いポジションを保有することで、高いスワップポイントの獲得が期待できるでしょう。

人民元/円相場の推移

人民元/円相場の推移のイメージ画像

①経済の実力に対して元が安すぎるという米国からの批判があり、「人民元レートの弾力化」が発表されると、元高トレンドになりました。また、この時期に日本では、安倍政権の意向をくみ取った黒田日銀総裁による金融緩和が行われていたので円安・元高が進みました。

②2015年8月に人民元ショックが起き、人民元が急落しました。人民元ショックとは、中国人民銀行が突如として人民元を切り下げた出来事です。中国経済の減速懸念が高まり、金融市場の混乱を招きました。

③2018年からトランプ大統領が中国への関税を強化したことをきっかけに、中国側も報復関税をかけ、貿易戦争が激化しました。人民元は14円付近まで下落しました。

④2021年以降、ドル/円に連動する形で円安・元高が進行しました。

人民元/円のチャートはこちら

人民元の変動要因

中国製造業PMI(購買担当者景気指数)

PMIとは、企業の購買担当者の景況感を集計した指標のことです。近年は中国経済の世界経済への影響が大きくなっている為、非常に注目されている指標になっています。人民元は完全な変動相場制ではなく、中央銀行が通貨の変動を一定の範囲に収めようとする管理変動相場制のため直接的な影響はあまりありませんが、中国経済の実態を把握できるものになります。

中国消費者物価指数(CPI)

ある時点を基準に、同等のものを購入した場合に費用がどのように変動したかを指数値で表したもので、物価そのものの変動を測定することを目的としています。特に日常生活で消費者が購入する商品の価格を見ます。CPIは中央銀行の金融政策に影響を与えることが多いため、投資家の注目を集める指標です。

消費者物価指数(CPI)とは?

人民元投資を始めるには

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中国の基礎知識

正式名称
中華人民共和国(People's Republic of China)
首都
北京
公用語
漢語(中国語)
独立日
1949年10月1日
政治
人民民主共和制
大統領
習近平(国家主席)
中央銀行
中国人民銀行(The People's Bank of China)
中華人民共和国の歴史
1911年に辛亥革命がおこり、これを契機に清からの独立運動が広がり、1912年には中華民国が成立することとなりました。1921年には中国共産党が創立しています。
1949年10月1日に中華人民共和国が成立。1978年からの鄧小平以降の中華人民共和国は、政治体制は中国共産党による一党独裁体制を保つものの、市場経済を段階的に導入するなどの経済開放政策を取り、中華人民共和国の近代化を進めました。今ではGDPが米国に次ぐ世界第2位となるなど、目覚ましい経済発展を遂げています。

中華人民共和国関連リンク集

出典