CFDとは?初心者でもわかる基礎知識
CFDの最大の特長は、世界各国の市場で取引されている金融商品へ「手軽」に投資できる点です。少額から、時間を選ばず、コストも抑えて、国内外の代表的な銘柄に投資ができる、フレキシブルな金融商品になります。
CFDとはどんな取引?
Contract for Differenceの頭文字をとった略称で、一般的に差金決済取引のことを指します。差金決済取引とは、現物の受け渡しは行わず、売買で発生した損益のみを受け渡す取引のこと。
例えば、金や銀を現物で買うと、自分の手元に金塊が届いて、金庫に保管することになるでしょう。その後、金の値段が上がったら買取店に売りに行くかもしれません。一方、CFDで金を買うと、金は手元には届きません。しかし「○○円で金を買った」状況と同義になります。その後、金の値段が上がったタイミングで金を売ると、買った時と売った時の差額分が利益として手元に渡ります。資産は所有せず、売買の差額だけやり取りをする。これが差金決済取引です。
日本に浸透した差金決済取引の一つにFXが挙げられます。投資対象は世界の通貨になりますが、仕組みは同じです。海外では一般的にCFD取引の中にFX取引が含まれおり、日本ではCFDよりも先にFXが浸透したようです。
CFDって何に投資するの?
CFDは国内外のあらゆる銘柄に投資できます。例えば日本のニュースでよく流れる日経平均株価やNYダウ平均株価、つみたてNISAで人気のS&P500は、株価指数CFDとして取引ができます。金、原油、コーンなどを原資産とした商品CFDや、個別株を対象とした株式CFD、国債先物を原資産とした債券CFDが代表的です。
- 株価指数CFD:日経平均株価、NYダウ平均株価、S&P500、NASDAQ100
- 商品CFD:金スポット、銀スポット、プラチナスポット、WTI原油、天然ガス、コーン、大豆
- 株式CFD:Apple、Amazon、Alphabet、Microsoft
- 債券CFD:日本国債先物、米国債10年先物、独10年国債先物
- 原資産:値動きの対象となる資産
CFDのメリットと注意点は?
CFD取引が手軽な理由は、手数料無料、レバレッジ、24時間取引、売りからの取引の4点です。
手数料は基本無料
CFD取引では手数料を無料としている会社が多いです。投資信託のような販売手数料や、株式の委託手数料、口座開設手数料、銀行の入出金手数料はございません。ただし、お客様の実質的なコストとして、スプレッドというものが生じます。スプレッドとは「銘柄の売値と買値の差」のことです。銘柄を売る値段と買う値段は同じではなく、僅かに異なっています。この値段の差がスプレッドであり、CFD取引における実質的なコストとなります。
例えば、今日の石油の買値が100円、売値が99円だとすると、スプレッドは1円になります。ここで石油を100円分買ったとします。取引評価額は今決済した場合の値段で示されますので、100円で買った石油を99円で売ることになり、取引評価額はマイナス1円となります。買った瞬間から、スプレッド分の金額がマイナスとなってスタートします。これがスプレッドにおけるコストのイメージです。そのため、CFD口座を選ぶ際はスプレッド幅の狭い会社を選びましょう。外為どっとコムのCFDでは金と原油の取引に力を入れています。
また、ロスカット手数料については徴収している会社もございますので、各社のサービス概要をご確認ください。
レバレッジを使って少額から取引できる
レバレッジは口座に預けた保証金を担保に、より大きな金額を取引できる仕組みのことです。少しの力で重いものを持ち上げる「てこの原理」をイメージしてください。例えば、商品CFDのレバレッジは最大20倍です。レバレッジが20倍の場合、10万円の商品を買うには最低20分の1の保証金、つまり5,000円で投資することができます。
ただし、注意が必要です。高すぎるレバレッジで取引をしていると、ほんの少し思惑と反対方向に値段が動くだけで、注文の強制決済が行われます。これはロスカットと呼ばれ、本来は相場の急変動による大幅な損失を防ぐための、投資家保護を目的とした制度です。しかし意図しない決済となってしまうため、ロスカットはなるべく避けたいと考える投資家が多いです。
それ以外にも、高いレバレッジの取引は精神的な負担も大きいため、初心者の方は低レバレッジでの取引を推奨しております。また初心者の方に限らず、投資は余剰資金で行うことを心がけましょう。レバレッジを悪用してあたかも資産が増えたように見せる詐欺業者も多いのでぜひ覚えておいてください。
土日を除くほぼ24時間取引ができる
CFDでは土日/メンテナンス時間を除きほぼ24時間取引ができます。時間に縛られず自分のペースで取引を行えますし、相場の急変動にも素早く対応できます。また慣れている方は、株取引市場が閉場している際のヘッジとして、個別株CFDをご利用いただけます。ただし、日本が祝日の場合でも相場は動いているため注意してください。またCFDの取引時間は原資産の取引時間に影響を受けるので、銘柄ごとに取引時間が異なります。
下降相場でも利益を狙える
現物の取引では「買ってから売る」取引が一般的ですが、CFDでは「売ってから買い戻す」取引も可能です。高い価格のときに売り、安くなったら買い戻すことで、差額を利益として狙います。値下がりを予想した新規注文は、現物の受け渡しを行わない差金決済ならではの仕組みです。このように下降相場でも利益を狙える点もCFDの魅力です。
CFDで発生する調整額の種類
外為どっとコムのCFDでは「権利調整額」と「金利調整額」が発生します。
権利調整額
株価指数と個別株を原資産とするCFD銘柄などに発生します。株式でいうところの、配当金や分配金に相当するものです。値動きの対象となる株式などに配当金や分配金の支払いがあった場合、保有ポジションに対して、受け取りor支払いで発生します。
金利調整額
保有しているポジションを「ロールオーバー」(翌日へ持ち越す)した際に発生します。取り扱い会社によっては「オーバーナイト金利」などとも呼ばれ、FXのスワップポイントに相当するものです。ポジションを保有している間は、ポジションを持っている方向(買いか売りか)によって、受け取りor支払いで発生します。
先物を原資産とするCFD銘柄を対象に価格調整額が発生する会社もございます。 先物は将来の決められた期限になると決済が行われ取引が終了します(その期限の月を限月と呼びます)。CFDでは期限という概念がないため、先物の期限が過ぎて取引が終了しないよう、必要に応じて先の異なる限月の先物を原資産としますが、限月が異なるため価格も変わります。この価格の差額が、CFDでは価格調整額として発生することになります。外為どっとコムの場合、価格調整額は金利調整額やレート等に含まれておりますので、価格調整額という名目での受け払いは発生しません。
CFDの税金はどれくらい?
CFD取引で発生した利益は、「雑所得」として課税の対象となります。税率は20.315%、内訳は「所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%」になります。
課税対象となる利益は、保有する建玉の反対売買による1年間に決済が確定した売買益に加えて、お客様の受入証拠金に反映した配当・金利・調整金まで含みます。しかし、取引中の建玉は課税対象外です。前年中に成立した新規建玉であっても、未決済のまま年を越せば、その評価損益は課税の対象となりません。
また、CFD取引で生じた「損益」は、FX取引、商品先物取引、日経225先物・OP取引、くりっく365などの差金決済(受渡しを除く)で発生した損益と通算して申告することが可能です。またCFD取引で生じた「損失」を確定申告することで、翌年以後3年 にわたり先物取引に係る雑所得等の金額から繰越控除できます。ただし、取引を行ったか否かにかかわらず毎年、確定申告を行う必要がありますのでご注意ください。
CFD口座の開設から取引までの流れ
まずはCFD会社を選びましょう。各社とも取引ツールやスプレッド、銘柄数や情報に特徴がありますが、初心者の方は少額から取引できることも重要な要素です。外為どっとコムは金と原油に力を入れており、低コストで取引を始めていただけます。
CFD会社を選んだらホームページで口座を開設します。口座開設のページで必要事項を入力し、本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)やマイナンバーカードを提出してください。審査に通過すれば口座情報やパスワードが送付されます。
CFD会社から送付された口座情報を使ってログインできたら資金を入金します。銀行振り込みのほか、外為どっとコムでは即時入金できる便利なクイック入金サービスも使えます。
資金の入金を確認したら取引開始です。初心者の方はまず最小単位から始めることをおすすめします。少額といってもしっかり自分の取引ルールを守り、注文ツールの使い方や予測に必要な知識、取引の経験などを積んで安定・継続した利益を目指しましょう。
CFDはメリットいろいろ
世の中に存在する金融商品の分だけ、投資機会がございます。様々な相場が、ニュースや経済事象により変動します。CFDなら、たった一つの口座で、あらゆる資産に幅広く投資することができます。株価指数のようによく目にするものから、原油/金/外国株式のようにグローバルなものまで、様々な資産に投資することができます。自分に合った投資を見つけることは重要ですが、世界中の投資チャンスにアクセスしやすく、手軽でフレキシブルな金融商品であるCFDは、ひとつの有力な選択肢といえるでしょう。
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