世界の通貨 カナダ
カナダのお金の種類は?
カナダの通貨単位は「カナダドル(C$あるいはCAD)」です。また、補助通貨として「セント(¢)」もあり、100セントは1カナダドルに相当します。他のドル通貨と区別するときは、「C$」と記します。
カナダでは、5種類の紙幣と、7種類の硬貨が流通しております。
紙幣 | 5カナダドル、10カナダドル、20カナダドル、50カナダドル、100カナダドル |
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硬貨 | 1セント、5セント、10セント、25セント、50セント、1カナダドル、2カナダドル |
カナダドルへの投資
世界には石油、石炭、鉄鉱石など豊富な天然資源を持つ国がいくつかございます。カナダやオーストラリアをはじめとする資源国通貨の特徴は、天然資源の需給動向に左右されることです。カナダは世界第3位の石油埋蔵量を誇り、輸出総額第1位のエネルギー製品は全体の27%を占めます。そのため、カナダドルは原油価格との連動性が非常に高くなっています。原油価格が上昇すると(カナダの景気も良くなるため)カナダドル高、原油価格が下落するとカナダドル安といった傾向があります。またカナダの輸出総額の76%、輸入総額の62%がアメリカとなり、アメリカの経済事情の影響も受けやすいです。
カナダは、G7加盟国で世界10位のGDPを持ちながら、先進国のなかでも政治的・地政学的に安定しております。ロシアに次ぐ世界二位の国土面積を擁した資源大国であることに加え、自動車関連の産業も盛んな工業国でもあります。コロナショック後にいち早く利上げ方向へ向かいスワップポイント(金利調整額)が増加傾向のため、FX市場で人気の通貨となっています。
カナダドル相場の推移
①1992年には、北米自由貿易協定(NAFTA)に加盟し、米国との経済的な結びつきが強化されましたが、そのころからカナダドル円相場が米国経済状況、ひいては米ドル円相場に強く影響されるようになりました。つまり、米国景気の悪化によって米ドル円が下落したときはカナダドル円相場も下落し、米国景気拡大によって米ドル円が上昇したときはカナダドル円相場も上昇するといった展開が2005年前半まで続きました。
②1992年後半から1995年前半にかけての時期と、1998年後半から1999年初頭にかけての時期は、共にカナダ経済は着実に成長しましたが、米国景気後退や円高の影響で下落した米ドル円につられる格好でカナダドル円相場も下落しました。特に、1995年4月には米ドル円が当時の史上最安値となる79円台をつけましたが、カナダドル円もそれに合わせるかのように58円台にまで大きく下落しました。
③2005年中盤あたりからは原油価格が高騰したことにより、米ドル円が下落する一方で、カナダドル円は上昇するというケースも目立つようになりました。また、カナダ経済がこの時期堅調だった事や円キャリートレードの活発化に伴い、2007年11月には1990年8月以来の125円台乗せとなりました。
④カナダドル相場も他の通貨ペアと同様に、2008年秋の「リーマンショック」によって急落し、2009年1月には13年5ヶ月ぶりの安値水準となる68円台をつけました。その後、カナダドル円相場は反発していますが、上昇圧力はさほど強くない状況が続いています。
⑤カナダ中央銀行は2022年3月から利上げを開始し、その後も高インフレを抑制するため利上げを進めた一方、日本は金融緩和を継続した為、金利差が拡大し、円安・カナダドル高になりました。
カナダドルの経済指標
米国雇用統計
米国労働省が発表する雇用に関する月次データで、雇用サイドから見た米国の経済の状況が把握できます。このように、カナダは米国との経済関係が非常に強くなっているため、米国経済が堅調なときは、カナダ経済にも良い影響を与えるとの見方からカナダドルが買われるケースや、逆に米国景気が後退しているときは、カナダ経済に悪影響を与えるとの見方からカナダドルが売られるケースが時々見受けられます。いくつかの指標がまとめて発表されますが、特に注目されているのが「非農業部門雇用者数」「失業率」になります。
カナダ消費者物価指数(CPI)
消費者物価指数は概してCPI(Consumer Price Index)とも呼ばれており、一般消費者世帯が購入する財やサービスの、総合的な価格の動きを指数化したものです。CPIは中央銀行の金融政策に影響を与えることが多いため、投資家の注目を集める指標です。カナダ中央銀行は年2%のインフレ目標を設定し、金融政策を行っています。
カナダドル投資を始めるには
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カナダの基礎知識
- 正式名称
- カナダ
- 首都
- オタワ
- 公用語
- 英語、フランス語
- 政治
- 立憲君主制のもと、議会は二院制(上院、下院)を採用
- 元首
- チャールズ3世イギリス国王
- 首相
- ジャスティン・トルドー
- 中央銀行
- カナダ中央銀行(The Bank of Canada)
- カナダの歴史
- 16世紀にアジアへの新たなルートを求めてフランスやイギリスの探検家が大西洋岸を往来し始め、やがて植民地利権をかけた激しい争いが起きます。1759年にはパリ条約が結ばれ、全植民地が100年以上に渡って英国の支配下に置かれました。
1867年には4州の統合でカナダ自治領が成立し、時を経て1982年カナダ自主憲法が成立。イギリスへの法的従属性を解消しました。1992年には、北米自由貿易協定(NAFTA)に加盟し、北米3国間(米国、メキシコ、カナダ)交流も促進させました。
また、カナダはG7の一員となっております。すなわち、先進国の仲間入りを果たしているわけですが、とりわけ財政収支・貿易収支共に黒字を維持していることは注目すべき点といえるでしょう。