世界の通貨 メキシコ
メキシコのお金の種類は?
ペソは旧スペイン植民地諸国で使用されている、あるいは使用されていた通貨の単位です。同じ「ペソ」でも国によってレートが異なる為、注意が必要です。
メキシコペソ(MXN)の記号はドルと同じく「$」で表記されます。米ドルと混同されやすい為、Mex$で示されることもあります。
メキシコでは、6種類の紙幣と9種類の硬貨が流通しています。
紙幣 | (10メキシコペソ:現在製造されていない)、20メキシコペソ、50メキシコペソ、100メキシコペソ、200メキシコペソ、500メキシコペソ、1000メキシコペソ |
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硬貨 | 5センターボ、10センターボ、20センターボ、50センターボ、1メキシコペソ、2メキシコペソ、5メキシコペソ、10メキシコペソ、20メキシコペソ、(50メキシコペソ、100メキシコペソ:現在製造されていない) |
メキシコペソの紙幣は歴史上の重要人物が記載されているのが特徴です。例えば、1000ペソでは「メキシコ独立の父」であるミゲル・イダルゴが採用されています。また、2021年に50ペソ紙幣が国際紙幣協会(IBNS)から最優秀紙幣賞を受賞するなど、紙幣のデザイン性も優れています。
メキシコペソへの投資
メキシコペソは資源国通貨、高金利通貨として注目されています。メキシコは原油などの天然資源を豊富に有する資源国である為、メキシコペソ相場は資源価格の動きに大きく影響を受けます。特に原油価格の上昇はメキシコペソの上昇要因になります。
メキシコペソは国境を接するアメリカ経済の影響を受けやすいのが大きな特徴です。輸出の約8割、輸入の約半分をアメリカが占めています。そのため、アメリカの景気動向はメキシコ経済にとって重要であり、メキシコペソに投資を行う際には必ずチェックしておきたいところです。
BOM(メキシコ中央銀行)の金融政策もメキシコペソに大きな影響を与えます。メキシコ中銀の現在の政策金利は11%(2024年7月現在)で、日本との金利差が非常に大きい状況です。低金利である円に対して買いポジションを持つことで高いスワップポイントを受け取ることができます。直近のメキシコは、堅調なアメリカ経済に牽引され、経済が安定的に成長しているため、メキシコペソ投資への人気が高まっています。
一方で、米ドルやユーロなどのメジャー通貨に比べて流動性が低いので、取引をする際には適切なリスク管理が必要です。
メキシコペソ相場の推移
①1990年代後半から2000年代前半にかけて、ロシア金融危機や米国同時多発テロなどが発生する中で緩やかな下落基調が続き9円台後半まで下落しました。
②2008年前半まで11円ほどで推移していましたが、2008年9月に発生したリーマンショックによりメキシコペソ/円は6円付近まで急落。メキシコペソ安・円高が進行しました。
③2014年からFRBの利上げ、原油価格の下落、中国経済の低迷など複数の影響を受け、メキシコペソが円に対して売られました。
④原油価格の高騰やメキシコ中銀の急速な利上げにより日本との金利差が拡大したことで円安・ペソ高が進行しています。
メキシコペソ相場の変動要因
BOM(メキシコ中央銀行)の政策金利
政策金利はその国の通貨の変動に大きな影響を与えます。金利を調整することで景気の過熱や失速を防ぐ役割があります。メキシコの政策金利は、メキシコ中央銀行の金融政策決定会合で発表されます。先ほど述べた通り、現在のメキシコ中銀の政策金利は11%(2024年7月現在)となっています。
原油価格の動向
前述のように、メキシコは世界有数の原油埋蔵量を誇る為、メキシコペソは原油価格の動向に影響されます。原油価格が上昇すれば、メキシコペソ上昇要因になります。特に、隣国アメリカの国際原油価格WTIの動向はチェックしておきたいところです。
消費者物価指数(CPI)
消費者物価指数は略してCPI(Consumer Price Index)とも呼ばれており、一般消費者世帯が購入する商品やサービスの、総合的な価格の動きを指数化したものです。インフレに関する今後の動向を分析する指標として最も一般的であり、金融当局の政策を読むうえで注目度が高いといえます。メキシコ中央銀行のインフレ目標は3%の上下1%ポイントとなっております。
メキシコペソ投資を始めるには
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メキシコの基礎知識
- 正式名称
- メキシコ合衆国(United Mexican States)
- 首都
- メキシコ・シティ
- 公用語
- スペイン語
- 独立日
- 1821年9月27日(承認、コルドバ条約署名)
- 政治
- 立憲民主制による連邦共和国
- 大統領
- アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領
(2024年10月1日にクラウディア・シェインバウム氏が就任予定) - 中央銀行
- メキシコ銀行(Bank of Mexico)
- メキシコの歴史
- 1519年エルナン・コルテスの率いるスペイン人が侵入、アステカ帝国を滅ぼしました。その後1810年には、メキシコ独立運動が開始され、以降長い戦いとなりました。1821年にスペインより独立するも、混乱は続きました。1846年に、アメリカとテキサスをめぐっての米墨戦争が勃発。国土の半分近くを米国に割譲することとなりました。
1910年にはメキシコ革命勃発。1917年に革命憲法が発布されると、革命は終息しました。
1929年には国内の様々な革命勢力を一つにまとめ国民革命党(PNR)が結成され、71年間の事実上の一党独裁体制を樹立。
1938年に石油産業を国有化するなど、精油や銀の輸出で経済は潤うも、工業化を進める中で大きな負債を抱えることとなりました。
1986年にGATT加盟、1993年にAPEC参加、1994年には北米自由貿易協定(NAFTA)発効、OECD加盟と国際化を進めました。
21世紀有数の経済大国に成長する高い潜在性があるとした11カ国の「ネクスト11」に選ばれています。