中国恒大集団の利払い猶予期限(10/24)到来に伴う相場変動・スプレッド拡大等の可能性について

  • 重要

中国の不動産大手、恒大集団の期日を過ぎた米ドル建て社債の利払い猶予期限が日本時間10月24日(日)に迫っており、それまでに履行できなかった場合には同社がデフォルト認定される見通しです。これに伴う混乱が金融市場に波及した場合、人民元や中国情勢の影響を受けやすい豪ドルをはじめ、為替相場が急変動する可能性がございます。また、猶予期限は今週末であることから、各通貨ペアの週明け(10月25日)オープンレートが前週末クローズレートに対し大きく乖離する可能性がございます。
ポジションをお持ちのお客様、特に高レバレッジのポジションをお持ちの法人の方におかれましては、口座管理につき十分ご注意のほどお願いいたします。

なお上記の影響を受ける期間には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時より拡大傾向となる見通しであり、その際には当社でもやむなくスプレッドを一時的に拡大する場合があります。また相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がありますのでご承知おき願います。

※スプレッド拡大時には、これに伴う評価レートの変動に伴い口座の有効比率が低下します(両建状態でも同様です)。このとき口座状況によっては有効比率がロスカットレベルを下回る可能性がありますので十分ご注意願います。

●注目ポイント
外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

経営難に陥っている中国不動産大手、恒大集団は子会社株式の売却交渉に失敗。ドル建て社債の支払い猶予期限が23日(日本時間24日)に迫る中、同社の資金繰りは一段と厳しくなった。恒大側も「財務上の義務を継続して履行できる保証はない」と表明しており、債務不履行(デフォルト)の可能性が高まっている。

もっとも、恒大のデフォルトについては、市場もある程度想定済みであろう。中国の劉鶴副首相が「不動産市場で若干の問題が起きているがリスクは管理可能」と表明している事もあって、すぐに世界経済にダメージを与えるショックを誘発する事は考えにくい。ただし、実際にデフォルトが起きれば、取引がきわめて薄い週明け25日のオセアニア市場で為替レートが急変動するリスクは否定できない。特に、中国動向に敏感な豪ドル/円などは注意が必要となりそうだ。