トルコ中銀金融政策発表(7/14)に伴う相場変動・スプレッド拡大等の可能性について

  • 重要

明日(7月14日)日本時間午後8時にはトルコ中央銀行の金融政策発表が予定されております。今回の市場予想の大勢(政策金利19%据え置き)と大きく異なる結果となった場合、あるいは金利据え置き発表後に利下げ論者であるエルドアン・トルコ大統領が、総裁の解任など同中銀に対し批判的なアクションを起こした場合などには、トルコリラ相場が急変動する可能性がございます。また、特に後者については今週末に発生した場合、トルコリラを含む通貨ペアの週明け(7月19日)オープンレートが前週末クローズレートに対し大きく乖離する可能性がございます。
ポジションをお持ちのお客様、特に高レバレッジのポジションをお持ちの法人の方におかれましては、口座管理につき十分ご注意のほどお願いいたします。

なお、上記の影響を受ける期間においては、実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ拡大傾向となる見通しであり、その際には当社でもやむなくスプレッドを一時的に拡大させていただく場合がございます。また相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更させていただく場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。
また、お客様におかれましては、本件につきあらかじめご留意のほどお願い申し上げます。

※スプレッド拡大時には、これに伴う評価レートの変動により通常スプレッド時よりも口座の有効比率が低下します(両建状態であっても同様です)。このとき、口座状況によっては有効比率がロスカットレベルを下回る可能性がございますので、ポジションをお持ちのお客様、特に高レバレッジのポジションをお持ちの法人の方におかれましては、口座管理につき十分ご注意のほどお願いいたします。

●注目ポイント
外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

明日14日にはトルコ中銀の金融政策決定会合が行われる。

前回の6月会合では策金利を19.00%に据え置き、「インフレが顕著に低下するまで『引き締め的』な金融政策姿勢を『断固として』維持する」とタカ派スタンスを強調した。
トルコの6月消費者物価は前年比+17.5%に加速したが、今月1日には電気料金が値上げされており、7月のインフレ率はさらに上振れする可能性もある。
にもかかわらず、市場の利上げ期待は一向に高まっていない。そればかりか年内の利下げ観測がくすぶっているのは、高金利を嫌うエルドアン大統領が「7-8月頃に利下げが始まるべき」と主張しているためだ。

中銀総裁の人事権さえ握るエルドアン大統領がこうした主張を行っている以上、中銀がいくらタカ派スタンスを強めても、市場は「口先だけ」と見て信用する事はないだろう。

明日の金融政策決定会合でも、政策金利は据え置かれる可能性が高い。大統領への配慮で利上げはできないと見られる一方、仮にタカ派スタンスを弱めれば市場から「ダメ出し」を喰らいかねない。トルコ中銀は、市場との対話に苦労すると見られ、リラ相場が上昇に転じるきっかけにはなりにくそうだ。