トルコリラの相場変動リスク、およびスプレッド拡大の可能性について
日本時間6月2日早朝、トルコリラが各通貨に対して急落し、対米ドルで過去最安値を更新しております。この動きはトルコのエルドアン大統領があらためて利下げを求めたことによるもので、一部報道によると同問題について中央銀行総裁とも協議した模様です。市場では今後のトルコ中銀理事会を睨んで神経質な展開となることが見込まれており、トルコリラの下落基調が継続する可能性もございます。
また、月曜日においてはオープンレートが前週末クローズレートに対し大きく乖離する可能性がございます。
ポジションをお持ちのお客様、特に高レバレッジのポジションをお持ちの法人の方におかれましては、口座管理につき十分ご注意のほどお願いいたします。
なお、上記の影響を受ける期間においては、実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ拡大傾向となる見通しであり、その際には当社でもやむなくスプレッドを一時的に拡大させていただく場合がございます。また相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更させていただく場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。
また、お客様におかれましては、本件につきあらかじめご留意のほどお願い申し上げます。
※スプレッド拡大時には、これに伴う評価レートの変動により通常スプレッド時よりも口座の有効比率が低下します(両建状態であっても同様です)。このとき、口座状況によっては有効比率がロスカットレベルを下回る可能性がございますので、ポジションをお持ちのお客様、特に高レバレッジのポジションをお持ちの法人の方におかれましては、口座管理につき十分ご注意のほどお願いいたします。
●注目ポイント
外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
日本時間6月2日早朝、トルコのエルドアン大統領が利下げに言及した事でトルコリラ/円相場が急落した。エルドアン大統領はトルコメディアのインタビューに対し「金利を引き下げれば投資の負担が軽減される」と指摘。「きょう、中銀総裁とも話した。確かに金利を下げる必要がある」「7月、8月に金利が低下し始める必要がある」などと述べた事が報じられた。
これを受けてリラ/円は一時12.23円前後まで下落したが、その後は下げ渋っている。ただ、6月3日に発表が予定されているトルコ5月消費者物価指数には警戒が必要だ。市場予想では前年比+18.20%に加速すると見られている。利下げが現実味を帯びる中でのインフレ加速は通貨リラの下押しに繋がる公算が大きい。なお、同時に発表されるトルコ5月生産者物価指数は前年比+36.40%と、激しい上昇が見込まれている。当面のトルコリラ/円相場は、上値が重い一方で下値が脆い地合いが続きそうだ。