アゼルバイジャンとアルメニアの軍事衝突に伴うトルコリラとロシアルーブルの相場変動リスクについて

  • 重要

去る9月27日に始まった旧ソ連のアゼルバイジャンとアルメニアとの係争地を巡る軍事衝突により、昨日(28日)までに多数の死傷者が発生したとの報道がなされております。両国の対立にはアゼルバイジャンの友好国であるトルコ、またアルメニアの同盟国であるロシアも関係するため、地政学的リスクの高まりからトルコリラとロシアルーブルに相場急変動を及ぼす可能性も想定されます。
これら通貨を含むポジションをお持ちのお客様、特に高レバレッジのポジションをお持ちの法人の方におかれましては、口座管理につき十分ご注意のほどお願いいたします。

なお、上記の影響を受ける期間においては、実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ拡大傾向となる見通しであり、その際には当社でもやむなくスプレッドを一時的に拡大させていただく場合がございます。また相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更させていただく場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。
また、お客様におかれましては、本件につきあらかじめご留意のほどお願い申し上げます。

※スプレッド拡大時には、これに伴う評価レートの変動により通常スプレッド時よりも口座の有効比率が低下します(両建状態であっても同様です)。このとき、口座状況によっては有効比率がロスカットレベルを下回る可能性がございますので、ポジションをお持ちのお客様、特に高レバレッジのポジションをお持ちの法人の方におかれましては、口座管理につき十分ご注意のほどお願いいたします。

●注目ポイント
外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

28日、トルコリラは対円、対ドルともに過去最安値を更新した。トルコと関係が深いアゼルバイジャンとロシアの同盟国であるアルメニアの間で軍事衝突が起きた事がリラ安の引き金になったと見られる。トルコが新たな紛争に巻き込まれるとの懸念が高まった模様だ。

トルコリラは、中銀の利上げにもかかわらずインフレを加味した実質金利が依然マイナスである事や、外貨準備の減少で通貨防衛力が低下している事などから下落が続いている。そうした中での地政学リスクの高まりを受けて当面は不安定な値動きが続く公算が大きい。取引に際しては十分な注意が必要だろう。