トルコリラの下落に伴う相場変動リスクについて
トルコリラの対主要通貨での下落が7月下旬頃から続いており、昨日(9月22日)には対円・ユーロで、また本日(23日)は対米ドルで史上最安値を更新しております。今後もトルコリラの下落基調のさらなる継続、また最安値の更新局面では相場急変動が発生する可能性もあります。
ポジションをお持ちのお客様、特に高レバレッジのポジションをお持ちの法人の方におかれましては、口座管理につき十分ご注意のほどお願いいたします。
なお、上記の影響を受ける期間においては、実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ拡大傾向となる見通しであり、その際には当社でもやむなくスプレッドを一時的に拡大させていただく場合がございます。また相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更させていただく場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。
また、お客様におかれましては、本件につきあらかじめご留意のほどお願い申し上げます。
※スプレッド拡大時には、これに伴う評価レートの変動により通常スプレッド時よりも口座の有効比率が低下します(両建状態であっても同様です)。このとき、口座状況によっては有効比率がロスカットレベルを下回る可能性がございますので、ポジションをお持ちのお客様、特に高レバレッジのポジションをお持ちの法人の方におかれましては、口座管理につき十分ご注意のほどお願いいたします。
●注目ポイント
外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
リラ/円は、今月11日から8日続落となり、22日には13.614円前後まで下値を切り下げて過去最安値を更新。日本の4連休中に円高に振れた影響もあるが、やはりトルコの政策金利がインフレ率を下回る「実質マイナス金利」の状態にある事や、リラ防衛の原資である外貨準備が不足している点などがリラ安圧力を高めている。
地中海のガス田開発を巡り、ギリシャとの間で緊張が高まっている事もリラの重しとなっている。なお、大手格付け会社ムーディーズは今月、トルコの格付けを投資適格級を5段階も下回るB2に引き下げ、さらに「国際収支危機が起きるおそれがある」と警告した。
トルコ中銀の政策金利発表が24日に予定されている。市場予想は8.25%の据え置きが大勢だが、一部にはリラ安に歯止めをかけるため利上げを見込む向きもあるようだ。
トルコ中銀は8月会合で、政策金利を据え置きつつも流動性を絞るなどの措置を講じたが、そうした裏口的な引き締めではリラ安を止められなかった。仮に今回、トルコ中銀が利上げに動けばリラはひとまず反発すると考えられるが、低金利至上主義のエルドアン大統領の手前、表立った利上げも難しいのが実情だ。大方の予想通りの据え置きであれば、もう一段のリラ安圧力がかかる可能性がある。
その他、トルコとギリシャはドイツの仲介で、緊張緩和に向けた予備的協議を開催する事になった模様だ。日程や形式については現在協議中との事だが、これらの続報にも注意を払っておきたい。