トルコリラの相場変動リスク、およびスプレッド拡大の可能性について
ここ数日間トルコリラが対主要通貨で急落しており、昨日(8月6日)にはトルコリラが対円・対米ドルともに史上最安値を更新しております。こうした動きはトルコ政府によるかねてよりの断続的な取引規制に加え、トルコ金融当局の通貨介入に伴う外貨準備高の低下懸念や、オフショア市場(税制や規制等で優遇のある国際金融市場)における海外金融機関のトルコリラ調達ひっ迫などが背景との観測がなされており、今後もトルコリラの下落基調が継続する可能性がございます。また、月曜日においてはオープンレートが前週末クローズレートに対し大きく乖離する可能性がございます。
ポジションをお持ちのお客様、特に高レバレッジのポジションをお持ちの法人の方におかれましては、口座管理につき十分ご注意のほどお願いいたします。
なお、上記の影響を受ける期間においては、実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ拡大傾向となる見通しであり、その際には当社でもやむなくスプレッドを一時的に拡大させていただく場合がございます。また相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更させていただく場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。
また、お客様におかれましては、本件につきあらかじめご留意のほどお願い申し上げます。
※スプレッド拡大時には、これに伴う評価レートの変動により通常スプレッド時よりも口座の有効比率が低下します(両建状態であっても同様です)。このとき、口座状況によっては有効比率がロスカットレベルを下回る可能性がございますので、ポジションをお持ちのお客様、特に高レバレッジのポジションをお持ちの法人の方におかれましては、口座管理につき十分ご注意のほどお願いいたします。
●注目ポイント
外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
トルコリラ相場は6日の海外市場で急落。
対ドル、対ユーロで過去最安値を更新した。
これより前の4日には、リラの翌日物(オーバーナイト)スワップ金利が1050%に急騰するという異常事態が起きていた。
トルコ当局が海外勢向けのリラ供給を制限した事が背景と見られる。
そうした当局のリラ売り抑制策は奏功せず、リラはむしろ金融市場の混乱を嫌気する形で下落した格好だ。
リラ買い介入の原資である外貨準備が減少する中、当局がリラ防衛の目安の水準を切り下げたとの観測も出ている。
世界的に夏休みシーズンに入り、取引の減少が見込まれる中、当面はリラの不安定な値動きに警戒が必要となりそうだ。