トルコスワップ市場乱高下の継続に伴うスワップ変動リスクと相場変動リスクについて
去る2月13日付でも本欄にてご案内したようにトルコのスワップ市場が乱高下を続ける中、本日(2月19日)予定のトルコ中銀金融政策決定会合での利下げ予想が強まっていることなどを受けてその勢いに拍車がかかっており、近日中に「トルコリラ/円」「米ドル/トルコリラ」「ユーロ/トルコリラ」のスワップポイントの受取額がゼロになったり、受払方向が逆転する観測が浮上しております。またこうした状況の下、トルコリラ相場が急変動する可能性がございます。
これら通貨ペアのポジションをお持ちのお客様、特に高レバレッジのポジションをお持ちの法人の方におかれましては、口座管理につき十分ご注意のほどお願いいたします。
なお、上記の影響を受ける期間においては、実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ拡大傾向となる見通しであり、その際には当社でもやむなくスプレッドを一時的に拡大させていただく場合がございます。また相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更させていただく場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。
また、お客様におかれましては、本件につきあらかじめご留意のほどお願い申し上げます。
※スプレッド拡大時には、これに伴う評価レートの変動により通常スプレッド時よりも口座の有効比率が低下します(両建状態であっても同様です)。このとき、口座状況によっては有効比率がロスカットレベルを下回る可能性がございますので、ポジションをお持ちのお客様、特に高レバレッジのポジションをお持ちの法人の方におかれましては、口座管理につき十分ご注意のほどお願いいたします。
●注目ポイント
外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
本日のトルコ中銀金融政策決定会合では6会合連続での利下げが決まる可能性が高いと見られており、エコノミストによる政策金利予想の中央値は10.75%(0.50%ポイントの利下げ)となっている。
もっとも、トルコでは1月の消費者物価指数が前年比+12.15%に加速しており、利下げを行えば物価変動を加味した実質金利はマイナス幅が拡大する事になる。
そのため利下げには慎重な見方も少なくない。
前述のエコノミスト予想では27人中8人が政策金利の据え置きを予想している。
エルドアン大統領が政策金利をヒト桁台にする必要があると主張しているだけに、中銀の決定が注目されよう。
利下げの有無に対する見方がある程度分かれている事から、リラ相場は利下げ決定なら下落(予想以上の利下げ幅なら大幅下落も)、据え置きなら上昇の反応が見込まれる。
ただ、仮に据え置きでもリラ高の反応は一時的に留まりそうだ。シリア北西部の紛争地帯におけるトルコとシリアの軍事衝突リスクの高まりがリラの戻りを抑えるだろう。