執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2025年4月11日 16時09分
反発イメージ小さい、140.00割れトライか
米ドル/円、下から上の大きな振幅を2回
米ドル/円は、前半に148.154円までの戻りを試した後に、トランプ米大統領の関税への強い意志に変化がないことが分かると、米ドル/円は下落へ。米国の相互関税第2弾発動後に、米ドル/円は143.992円まで下げ幅を広げました。次に後半では、トランプ大統領が報復関税を思い止まっている国・地域に対して、関税上乗せ分を90日間留保するとしたことから、それまでのリスク回避姿勢が巻き戻され、米ドル/円は148.273円まで急騰しましたが、上昇一巡後は再び売りが優勢になり、米ドル/円は142.879円まで値を下げ、年初来安値を塗り替えました。
(各レート水準は執筆時点のもの)
※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。
日米の通商交渉開始
米国の上乗せ関税の90日間留保を受けて一時的にリスク回避姿勢が和らぐ場面はありましたが、基本ベースの10%関税は発動していますので、米国の物価押し上げ圧力や企業収益悪化を背景とした、米国離れが起きつつある状況に変化は見られません。特に米国債売り圧力が強まっていることが金融市場の混乱を増幅させている部分もあり、米債市場の動向には注意したいです。また、関税を巡っては日本と米国との通商交渉が本格化する予定ですが、それを前にしてベッセント米財務長官は為替も議論するとの立場を示しているため、通貨に対して米国側がどのような要求をしてくるのか注目したいです。また、関税を巡っては日米の行方もさることながら、米欧協議の行方も気になります。
EUは米国の鉄鋼製品とアルミ二ウムへの25%の関税への対抗措置として、15日から段階的に追加関税を発動する予定でしたが、今回の米国側の対応を受けてEU側も90日間停止する見込みのようです。EUが示すゼロ関税案で進展の機運が高まれば投資家のリスクセンチメント改善で円の上値が重くなる展開も期待されますが、機運が高まらなければ、リスク回避の流れから円を押し上げる危険もあります。何れにしても、米関税策を巡る不透明感が燻る中で、イースター休暇を前に市場参加者が減少する時期だけに、米ドル/円の値幅は想定以上に広がる危険もありそうです。
反発の勢い限定(テクニカル分析)
米ドル/円は、日足一目均衡表で強い売り示唆となる三役逆転の状態。また、期間21日のポリンジャーバンドの-2σラインに絡みながら下げ幅を広げています。しかも、ボリンジャーバンドの-3σラインに接した後、小幅に戻すものの反発の勢いがすぐに抑え込まれ押し返される動きを見ると、上方向が相応に重いことが暗示されます。140.00円トライに向けて上値を切り下げていくのではないかと、考えています。
【米ドル/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「TradingViewチャート」
予想レンジ:USD/JPY:140.000-145.000
4/14 週のイベント:
一言コメント
USD/CADが200日移動平均線を割り込んで、USD安・CAD高が進みつつあります。テクニカル的にはまだ一巡感が見られておらず、もう一段のUSD安・CAD高進行もあり得るのではないかと、個人的に考えています。
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