総括
FX「中国は、米国と「どんなタイプの」戦争も戦う」人民元見通し
(通貨9位、株価11位=上海、香港ハンセンは首位)
予想レンジ 人民元/円 20.4-20.9
(ポイント)
*中国は、米国と「どんなタイプの」戦争も戦う用意がある
*人民元は3月は対円で回復。株価は調整安
*今週からの経済指標は
*米国は引き続き中国へ圧力
*アップルは中国投資拡大か
*成長見通し、株価指数の目標引き上げ(モルガンスタンレー)
*米中首脳会談はいつ?
*特別行動計画で家計支援
*1-2月主要経済指標、不動産除けば、まずまず
*ローンプライムレート据え置き
*中国は静かに報復関税発動
*1-2月貿易収支 輸出伸びず
*2月消費者物価下落
*成長目標5%前後維持 財政出動で内需拡大
*国防費増加、AI重視
*安いディープシークとBYDが世界に影響
(人民元は3月は対円で回復。株価は調整安)
人民元は年間では9位、今月は8,9位あたりで円と併走。今週は8位で円より強い。1,2月最強だった円が期末要因もあり海外投資や買収のドル買いで弱含んでいる。
上海総合指数は年初来0.51%高、香港ハンセン指数は再び20%を割り込み17.07%高。マイナス圏にある日米株を引き離している。10年国債利回りは1.88%
(今週からの経済指標)
本日は2月工業利益の発表がある。前回は前年比で3.3%減少、予想は4%増。月末から政府版、財新版の3月製造業・非製造業PMIの発表がある。いずれも50を越え改善傾向にある。
(中国は、米国と「どんなタイプの」戦争も戦う用意がある)
中国は、米国と「どんなタイプの」戦争も戦う用意があると表明した。トランプ大統領が、貿易関税を引き上げたのを受けたもの。
トランプ大統領はすべての中国製品に追加関税を発動。中国はすぐに報復として、アメリカの農産品に10~15%の関税を課した。
ワシントンの中国大使館は、「関税戦争であれ、貿易戦争であれ、その他のいかなる戦争であれ、アメリカが戦争を望むなら、私たちは最後まで戦う用意がある」と、中国政府が出した声明の一節をXに投稿した。米国の対中関税は4月2日に発表される。
(米国は引き続き中国へ圧力)
*米国は3月25日、中国やイラン、パキスタンなどの企業を含む70の団体を輸出制限リストに追加した。これら団体が米の国家安全保障または外交政策に反する行動を行っているとした。中国の団体が50以上を占める。
*米国は南米ベネズエラから原油を購入する国・地域からの輸入品に25%の関税を課す。、同国産原油の中国との取引が停滞する。
ただ一部の関係者は、トランプ大統領氏の脅しは頻繁に変わるため、最終的に取引は継続されると予想している。
(アップルは中国投資拡大か)
王文涛商務相は、米アップルのティム・クックCEOに対し、アップルによる中国での投資拡大を歓迎すると伝えた。 王氏はアップルの中国での事業展開のほか、米中の経済、貿易関係などを巡り協議した。王氏は、企業にとって安定した環境を整備するために、中国は米国と対等な対話を通して協力する用意があると伝えたという。
テクニカル分析(人民元/円)
ボリバン2σ上限から小反落。5日線、20日線上向き
日足、ボリバン2σ下限から上限へ反発し小反落。3月24日-26日の上昇ラインがサポート。3月25日-26日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ下限まで下落して反発。雲に入る。24年9月16日週-25年3月10日週の上昇ラインがサポート。2月17日週-3月17日週の下降ラインが上値抵抗。5週線上向く、20週線下向き。
月足、1月2月は陰線。3月は巻き戻し下ヒゲの長い陽線。23年1月-24年9月の上昇ラインがサポート。25年1月-2月の下降ラインが上値抵抗。5か月線下向く、20か月線上向き。
年足、2024年は5年連続陽線。23年-24年の上昇ラインがサポート。2025年は陰線スタート。
チーファンラマ
成長見通し、株価指数の目標引き上げ
モルガン・スタンレーは3月26日、企業業績や経済・通貨動向の見通し改善を理由に中国の株価指数の目標水準を引き上げた。目標引き上げは今年に入り2回目。
年末時点の目標は香港ハンセン指数が2万5800、ハンセン中国企業株指数(H株指数)が9500、MSCI中国指数が83、中国の有力企業300銘柄で構成するCSI300指数が4220ポイント。
生成人工知能(AI)の進歩に対する投資家の楽観的な見方や、当局の景気刺激策に支えられている。今年の中国の経済成長率予測も従来の4.0%から4.5%に引き上げた。
人民元相場の見通しについても、年央までに1ドル=7.35元、年末時点で7.50元とし、それぞれ前回予想の7.5元、7.6元から上方修正した。
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