
昨日発表された3月独サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値は前回から上振れ予想だったところから弱い結果に。ただ、景況判断の境目となる50は何とか維持し、同月製造業PMI速報値は48.9と予想以上に上昇して2022年半ば以来の50が視野に入ってきた。
本日ドイツからは3月Ifo企業景況感指数が発表され、前回から強い86.7が見込まれている。予想に沿った内容であれば3カ月連続上昇であり、昨年7月以来の水準だ。昨日の3月製造業PMIと同じく、底打ち感が出てきたとも言える。ただ注意すべきは、期待値が高い分だけ「それほどでもない」結果が出た場合。ユーロドルは1.08ドル台では伸び悩んでいることもあり、下値警戒感が高まってしまうかもしれない。
さてトランプ関税だが、昨日もトランプ米大統領が「関税で多くの国に猶予を与えるだろう」と発言し、先週言及した「柔軟性」をまじめに考えていることが示された。関税を巡る過度な警戒感が後退し、欧州株は小幅安で引けたものの、米株は大きく買われて終えている。欧州市場では、リスクセンチメントの改善がこのまま続くかを見定めたい。
当局者講演は、スロバキア、エストニア、オーストリア、クロアチアの中銀総裁が予定されている。短期金融市場は、今年6回を残すECB理事会で2度の0.25%利下げを織り込んでいる。この辺は暫く揺らぎそうにないが、市場の金利低下観測に対して、タカ派として知られるホルツマン・オーストリア中銀総裁がどのような見解を示すか注目したい。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0869ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、21日移動平均線1.0748ドルを下抜けると200日移動平均線1.0727ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ