目次
このレポートの概要:米国株式市場と外国為替市場の最新動向と分析
金融マーケットで永く情報発信を行っている田嶋智太郎氏が、米国株式市場の最新動向を詳しく解説します。
リスク回避ムードがやや後退
先週の米株市場は、今月13日までの目先的な売られ過ぎ感を伴う急落に対して、ひとまず一定の戻りを試す動きとなった。
支援材料の一つは、先週行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)の参加メンバーらによる金利予測(ドット・プロット)において、その中央値が昨年12月と同様に「年内2回の利下げ」を見通すものとなったこと。加えて、4月から米国債のランオフ(償還に伴う保有証券減少)ペースの上限を月250億ドルから月50億ドルに減らす方針が打ち出され、それを「ほぼ利下げに等しい」と市場が受け止めたことも大きかった。
さらに、週末21日にはトランプ米大統領が4月2日に予定する相互関税の導入について「柔軟性がある」との認識を示したことも、市場に漂っていた過度なリスク回避姿勢を後退させることにつながった模様である。
FRBはインフレ警戒強める
ただ、公表されたドット・プロットをよく見ると、昨年12月時点の利下げ予測にあった「年3回」、「年4回」が消え、代わりに「年1回」、「年0回」と回答するメンバーがグンと増えていたことは、やはり見逃せない。つまり、少なからぬメンバーが「一段とタカ派寄りの姿勢を強めている」というよりも「トランプ関税によるインフレへの影響に対して警戒を強めている」ということになろう。
FOMC後の会見で米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が「(影響は)短期あるいは一過性のもの」と述べ、21日にもシカゴ連銀のグールズビー総裁が同様に「一過性」と繰り返し述べていたが、そこから滲み出す“必死さ”のようなものが、かえって米インフレ再燃への懸念を抱かせるようにも思える。
「4・2」までは無闇に動かず
いずれにせよ、4月2日に相互関税の詳細が明らかになるまでは、どんな楽観論も悲観論も市場関係者の論評や市場の反応も信じるに足りない。目下のところ、S&P500種が5700ポイントあたりで幾度となく上値を押さえられているのも道理である。
先週のロウソク足は、俗に「極線(コマ)」と称される小陽線の形状を成しており、言うまでもなく「気迷い商状」を示している。今週も基本的に市場に大きなムードの変化は生じにくいと考えられ、身も蓋もない話にはなってしまうが、やはり「『4・2』を消化するまでは無闇に動かないのが無難」としか言いようがないだろう。あえて短期勝負に挑みたいというのであれば、やはり「5700ポイントを超えたところで戻り売り」のスタンスを基本にしたいと考える。
投機筋の円買いポジション巻き戻し
なお外国為替相場に関しては、先週末に一つの重要な事実が明らかとなった。米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した今月18日時点における投機筋ポジションの円買い越し(ネット)が前週比10938枚減の12万2964枚となり、久方ぶりに猛烈な円買いの流れに歯止めがかかったのである。既知の通り、前週(11日時点)までの円買い越し規模は3週連続で過去最大を更新し続けていた。
少し振り返ると、日本の10年国債利回りが一時的にも1.575%まで上昇したのは今月10日のことであり、それ以降は調整含みの状況が続いている。つまり、金利上昇の一服が一つの転換点となったわけで、実際にドル/円は11日(同日の安値は146.53円)以降、一時的にも150円超の水準まで戻りを試す動きとなった。
シカゴ通貨先物(円)投機筋(Non-Commercial)のポジション
ドル/円は上値も下値も限られる?
とはいえ、目下のところドル/円は一目均衡表の週足「雲」(現在、週足「雲」上限は150.76円処)に上値を押さえられ続けており、当面の上値余地は自ずと限られると見られる。仮に、米株価が戻り一巡から再び下げ基調に転じれば、リスク回避の円買い・ドル売りが生じやすくもなるだろう。
その一方で、円の上値も自ずと限られると見る。カギを握る日本の国債利回り上昇に対しては、かねて植田日銀総裁が機動的な国債買い入れオペレーションで対応する方針を掲げているうえ、足元では国債価格の低下時に割安と見た海外投資家の買いも集まっている。
仮に148円割れの場面があれば、そこは打診買いを入れてみる方針で臨みたい。
ドル円日足チャート
最新の株価指数CFD チャート
米国NQ100(60分足):ナスダック総合
米国D30(60分足):NYダウ
米国SP500 (60分足):S&P500
外為どっとコムのCFDについて
『CFDネクスト』においてスプレッド実績は「日本N225」では42%縮小し2.9(提示率は最も高く99.95%)、「WTI原油」では13%縮小し0.026(提示率は99.88%)となりました🌟
今後も、さらに低コストでお取引いただける環境を提供するために邁進してまいります。
わかりやすい!CFD解説動画はコチラ(YouTube「外為どっとコム 株投資情報ch」)
CFD(CFDネクスト)について|はじめてのCFDなら外為どっとコム
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
CFD口座開設&お取引1回でもれなく2,000円プレゼント!キャンペーン
■キャンペーン概要
対象期間中に『CFDネクスト』口座開設&お取引1回でもれなく現金2,000円をプレゼントいたします。お取引は『CFDネクスト』すべての銘柄が対象です。
■対象となるお客様
次のいずれの場合も、本キャンペーンの対象となります。
🌟外為どっとコムの口座をお持ちでないお客様による『CFDネクスト』口座の新規開設
🌟すでに外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』または『らくらくFX積立』口座をお持ちのお客様による『CFDネクスト』口座の追加開設
■対象期間
2025年2月24日(月)午前8時00分~2025年3月29日(土)午前5時55分
【!ご注意ください】以上のキャンペーンには、所定の対象条件やご注意事項がございます。ご参加にあたってはリンク先の告知ページを必ずご一読ください。各キャンペーンは弊社所定のフォームからのエントリーが必要です。エントリーがなかった場合には、たとえその他適用条件を満たしていたとしても特典の適用はなされませんので、十分ご注意のほどお願いいたします。各フォームには、リンク先の告知ページよりアクセスできます。
編集部イチオシ!CFDを今始めようとしている方へ!
田嶋智太郎氏
経済アナリスト 慶應義塾大学を卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券を経て、経済アナリストに転身。現場体験と綿密な取材活動をもとに、金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産掲載まで幅広い範囲を分析・研究。 WEBサイトで経済・経営のコラム執筆を担当し、株式・外為・商品などの投資ストラテジストとしても高い評価を得ている。 また、「上昇する米国経済に乗って儲ける法」など書籍も手掛けるほか、日経CNBCレギュラーコメンテーターも務める。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。