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このレポートの概要:米国株式市場と外国為替市場の最新動向と分析
金融マーケットで永く情報発信を行っている田嶋智太郎氏が、米国株式市場の最新動向を詳しく解説します。
関税絡みのニュースなく米株は一旦反発
先週末14日の米株市場では、主要3指数が大きく反発することとなった。つなぎ予算の延長法案に成立の目途がつき、政府機関の一部閉鎖が回避される見通しとなったことが買い安心感につながったという側面もないわけではない。しかし、本質的には前日までの急落に対する自律的反発と週末のポジション調整、加えて「同日はトランプ関税絡みのニュースが聞かれなかったこと」などが一旦反発の要因であったと見るのが正解であろう。なにしろ前日(13日)は、こともあろうに「EU産ワインへ200%の関税」などという呆れたワードが平気で飛び交っていたのである。
米国のスタグフレーション懸念燻る
トランプ氏の政策運営に対する市場の疑心暗鬼は留まるところを知らない。その実、14日に発表された3月調査のミシガン大学消費者信頼感指数は、市場が「スタグフレーション的な内容」と受け止めるに十分な内容であった。ヘッドラインが大きく落ち込んだだけでなく、インフレ期待が予想を上回る高い水準まで上昇している。
それ以前に、先週は米大手証券のストラテジストやグローバルファンド筋が年内の米株価見通しを下方修正するケースも相次いだ。そもそも米政策の不確実性が高すぎて、当面は米企業の収益の成長に対する前向きな見通しが立てられない。16歳で米マサチューセッツ工科大学(MIT)に入学した英才、米ハーバード大学のローレンス・サマーズ教授(元財務長官)は「リセッション入りの可能性は50%に近い」としている。
大いに懸念される!トランプ関税の副作用
トランプ氏は「関税カード」を切ることの有効性に自信満々の様子であるが、いずれその副作用の大きさに愕然とする日が訪れるに違いない。むしろ、米債務の利払いコスト低減を目的とする金利低下を促すため「意図して景気不安を煽っている」と見ることもできなくはないが、景気を一旦落ち込ませておいて、頃合いのいいところで見事に復活させるなどという“芸当”を、そう都合よく演じることなどできるものだろうか。
実際、トランプ氏がロシア側に提示したウクライナとの停戦案はロシアのプーチン大統領に事実上“拒否”され、トランプ氏の思い通りには事が運びそうもない。
注目度が高い米金利見通しの公表
そうした状況に対する市場の疑心と不安が、S&P500種を今年2月につけた史上最高値から10%超も低下させた。先週の安値(5504ポイント)は、昨年8月安値から今年2月高値までの上げ幅に対する61.8%押しの水準にあたり、重要な節目で一旦下げ止まったとも言えるが、今後、仮に同安値を下回る事態となれば、次は76.4%押しや78.6%押しにあたる5300ポイント台半ばの水準が視野に入りやすい。
米国SP500日足チャート
前回は「戻り売りスタンスで臨みたい」と述べたが、先週は相場が「戻る」場面自体がなかった。今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が行われ、あらためて参加メンバーらの経済見通しと金利予測が公表される。仮に、経済見通しが少々弱気になびき、それでも追加利下げ期待が高まらなかったら、やはり一段の調整ムードが色濃くなるだろう。
なおもドル/円は基本戻り売り?
ドル/円については、想定していた通り、足元で一定程度のリバウンドが生じている。とはいえ、149円処では上値が押さえられがちで、ドルの先行きに対して強気になりにくい状態が続いている。目先的なリバウンドの原動力は、やはり過去最大規模に膨らんだ投機筋による円買いポジションの巻き戻しであるものと考えられ、当面はポジション整理がどの程度進んでいるのかを確認しながらの判断ということになろう。
既知のとおり、ドイツで次期首相候補のメルツ氏が目指す財政拡張計画について合意成立の可能性が高まり、結果、独10年債利回りが一段と上昇し、ユーロ/ドルは強含みで推移している。つまるところ、当面のドルの上値が自ずと限られる一方で円の上値余地は十分にあると見られる。今週行われる日銀金融政策決定会合においても、声明や総裁会見の内容には一定程度、タカ派色が滲むものと考えられ、引き続きドル/円については基本的に戻り売りで臨む姿勢を継続したい。
ドル円日足チャート
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田嶋智太郎氏
経済アナリスト 慶應義塾大学を卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券を経て、経済アナリストに転身。現場体験と綿密な取材活動をもとに、金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産掲載まで幅広い範囲を分析・研究。 WEBサイトで経済・経営のコラム執筆を担当し、株式・外為・商品などの投資ストラテジストとしても高い評価を得ている。 また、「上昇する米国経済に乗って儲ける法」など書籍も手掛けるほか、日経CNBCレギュラーコメンテーターも務める。
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