
◆米インフレ指標次第では、米5月利下げ観測に影響
◆ユーロドル、独財政拡張期待から底堅い
予想レンジ
ドル円 145.00-150.00円
ユーロドル 1.0600-1.1000ドル
3月10日週の展望
ドル円は、上値の重い展開が想定される。連合が6日公表した2025年春闘の賃上げ要求額が32年ぶりに6%を超えたことを受けて、「日銀が想定よりも早く利上げに動くのでは」との思惑が急速に広がっている。直近では植田日銀総裁や内田日銀副総裁が今後の利上げについて「会合ごとに経済や物価の情勢を丁寧に点検しながら判断していく」考えを強調していたが、18-19日に金融政策決定会合を控えるなかで、早期利上げを囃した仕掛け的な円買いが持ち込まれるリスクはあるだろう。14日には春闘の第一回目回答集計結果が公表されるため、結果を受けた市場の反応を見極めたいところだ。
また、米連邦準備理事会(FRB)の5月利下げ観測が高まっている点にも注意が必要だろう。背景となっているのは、トランプ米政権による関税政策であり、世界経済に悪影響を与えるとの懸念が一段と高まっている。メキシコ・カナダ・中国に対する関税を今月4日に予定通り発動したが、6日にはUSMCA準拠品を4月2日まで免除するなど、米大統領の発言に金融市場は振り回されている。なお、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は先月末時点では2割程度だったが、7日時点では5割弱まで上がってきている。
来週は12日に2月消費者物価指数(CPI)、13日に2月卸売物価指数(PPI)、14日に3月ミシガン大学消費者態度指数・速報値の発表が予定されており、結果次第では利下げを一段と織り込みに行く可能性はあるだろう。
ユーロドルは底堅く推移しそうだ。ドイツの財政赤字を一定の規模に抑える債務ブレーキの緩和で独政権が4日に合意。国債発行が大幅に増加し国防や投資に充てられ、独経済にとって大きな下支え要因になるとの見方が広がっており、来週も景気の先行きに期待したユーロ買いの流れは続きそうだ。ラガルド欧州中央銀行(ECB)が6日の定例理事会後の記者会見で今後の金利見通しについて「データ次第である」ことを強調し、利下げに言及しなかったこともユーロの支えとなるだろう。
3月3日週の回顧
ドル円は、上値が重かった。週明けこそ151.30円まで値を上げたが、2月米ISM製造業景況指数が予想を下回ったほか、米関税政策への警戒感から失速。週半ばには148.10円まで下げた後、しばらくは149円挟みで推移していたが、週後半にかけては日銀の早期利上げ観測から一時147.32円まで売り込まれ、昨年10月4日以来の安値を付けた。
ユーロドルは堅調。独財政拡張への期待感からユーロは大きく買われる展開となった。目立った下押しも見られないまま、週末にかけては一時1.0853ドルと昨年11月6日以来4カ月ぶりの高値を付けている。(了)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ