【FX】米雇用統計 FX売買戦略!2025年のドル円はどうなる!?(2025年3月7日(金) 12:00~13:00)
雇用統計・ライブ実践リアルトレード(2025年3月7日(金) 21:00~23:00)
執筆日時:2025年3月6日 11時30分
執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人
失業率安定レベル継続で米ドル短期反発か、DOGEの影響限定との見方
はじめに-米国の景気判断変わるのか?
2025年3月7日(金)、日本時間22時30分に米国で2月分の雇用統計が発表されます。1月の雇用統計は失業率が4.0%へ低下するなど、米労働市場の底堅さが示されて、3月FOMCでの利下げ期待がはく落しました。ただ、2月25日にベッセント米財務長官が「民間セクターは景気後退に陥っている」と気になる発言をし、成長への不安も意識されています。今回のデータが成長への不安を後退させるのかそれとも、高めるのか注目されます。では振り返りからです。
前回のおさらい-悪天候が雇用圧迫も、過去分は上方修正
・失業率4.0%へ改善も国勢調査の影響で比較できず
2月7日に発表された、米国の1月非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想の17.0万人増を下回る14.3万人増に留まりました。ただし、12月分が「25.6万人増から30.7万人増」へ、11月分も「21.2万人増から26.1万人増」へ各々、上方修正されて、直近3カ月で均せば「23.7万人増」と好調な結果でした。その他、失業率は国勢調査の結果が反映されたため、前月と単純比較はできませんが、4.0%へ低下。時間給も前月比で0.5%と伸びが加速するなど、労働市場の健全性が示唆されたとの声が多く聞かれました。OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場における今年のFRBの利下げ回数見通しは、2月5日時点で1.8回程度でしたが結果を受けて1.4回程度まで低下しました。
図表1.分野別新規雇用者数(千人)※出所:データ米国労働省
市場反応
【為替市場】
指標発表後、米ドル/円はNFPの下振れに反応して151.304円まで低下したものの、失業率の低下などが見直され152.402円まで急反発。ただ、その後は日米首脳会談のほか、トランプ関税などが意識されて、150.924円まで低下しました。
【株式市場】
株式市場はディスインフレのペースが鈍りつつあるとの思いで金利が上昇した反動から、さえない展開に。ダウ平均は444.23ドル安い44303.40ドル、ナスダック総合株価指数は268.59ポイント安い19523.40ポイントで取引を終えました。また、S&P500は26.87p低い6019.96pで引けました。
【金市場】
米雇用統計発表後に2852ドル付近まで下げましたが、まもなく反転し、米国市場の中盤にかけて2870ドル付近まで上昇しました。ただ、週末を控えたポジション調整から、上昇幅を縮小させました。金スポットは前日比4.79ドル高い2861.07ドルで終了。
図表2.前回発表前後のドル円の動き
米ドル/円 30分足
出所:外為どっとコム「ネオチャート」
今回の見どころ-天候の影響後退で雇用回復か
・関税策の景況は懸念
・ドージの影響限定、民間部門の情勢が結果を左右
NFPや民間部門雇用者数の3カ月平均は昨年秋以降、雇用者数は持ち直しています。求人件数の減少で、離職してから次の職が見つかるまでの期間が延びている中においても雇用が拡大をしており、中期的に見れば米労働市場はまだ底堅いと感じます。また、高頻度データである新規失業保険申請件数を見ても前月からほぼ横ばいで、労働市場が急速に冷え込んでいないことが分かります。しかも、2月も寒波の影響が残ったものの、1月程ではないため林業・建設業・レジャー宿泊の雇用が戻る期待もあります。もっとも、2000年以降、天候不良で働けなかった労働者の2月平均は32.3万人となっていて、1月平均の31.0万人より大きく2月は季節的要因を受けやすい月ですので、思ったほど雇用が回復していないことも考えられます。
図表3.雇用関連データ(千人)※データ:米国労働省
また、トランプ大統領の関税策の不透明さから、採用を見送る企業があった可能性があるほか、政府効率化省(DOGE=ドージ)による連邦職員の解雇などの不透明要素もあります。人員削減の影響については多くの関係者が来月以降と見ており、2月分への影響は小さいとの見方が優勢ですが、先行きについては雇用の抑制材料として意識されます。これらの点を踏まえると、経済情勢を見極めるため雇用主が採用をためらっている部分はあるものの、寒波の落ち着きによる雇用の持ち直しから失業率を安定させるのに必要なレベルである10万~15万人は維持されるのではないかと、考えます。その上で、失業率安定水準に雇用者数が保たれるのであれば、米経済失速への不安は和らぎ、足許のOIS市場での年内利下げ回数見通し3回のハト派な思惑が修正され、短期的に米ドル/円を支えるのではと期待しています。ただ、先行きについては米成長への不透明感が重しとなり、米ドルの戻りも限定されるのではないでしょうか。
図表4.ドル円チャート
米ドル/円 8時間足
出所:外為どっとコム「ネオチャート」
付随データ
図表5.[雇用統計の実績と予想]
年月 | 非農業雇用者数変化(万人) | 失業率(%) | ||
予想値 | 初回結果 | 予想値 | 初回結果 | |
2025年02月 | 16.0 | 15.1 | 4.0 | 4.1 |
2025年01月 | 17.0 | 14.3 | 4.1 | 4.0 |
2024年12月 | 16.0 | 25.6 | 4.2 | 4.1 |
2024年11月 | 20.0 | 22.7 | 4.2 | 4.2 |
2024年10月 | 10.8 | 1.2 | 4.1 | 4.1 |
2024年09月 | 14.0 | 25.4 | 4.2 | 4.1 |
年月 | 平均時給/前月比(%) | 労働参加率(%) | |
予想値 | 初回結果 | 初回結果 | |
2025年02月 | 0.3 | 0.3 | 62.4 |
2025年01月 | 0.3 | 0.5 | 62.6 |
2024年12月 | 0.3 | 0.4 | 62.5 |
2024年11月 | 0.3 | 0.4 | 62.5 |
2024年10月 | 0.3 | 0.4 | 62.6 |
2024年09月 | 0.3 | 0.4 | 62.7 |
◇関連の経済データ実績
年月 | ISM製造業雇用指数 | ISM非製造業雇用指数 |
2025年02月 | 47.6 | 53.9 |
2025年01月 | 50.3 | 52.3 |
2024年12月 | 45.4 | 51.4 |
2024年11月 | 48.1 | 51.5 |
2024年10月 | 44.4 | 53.0 |
2024年09月 | 43.9 | 48.1 |
出所:Bloomberg、外為どっとコム「経済指標カレンダー」
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