メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2025年2月28日14時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
トルコリラ/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週のトルコリラ/円は過去最安値圏からやや持ち直す展開
24日に4.067円前後で取引が始まったリラ/円相場は、翌25日の早朝に4.035円前後まで下落して過去最安値を更新する場面がありました。ただし、ポジション調整による下落と見られ、売りが一巡するとドル/円の持ち直しにつれて4.114円前後へと反発。その後もトルコ側にめぼしい材料がない中で、27日にかけてドル/円の振幅に追随する形の値動きが続きました。連日、4.06円台では下げ渋る一方、4.11円台に入ると伸び悩む一進一退の展開となっており、28日の東京市場でもこのレンジ内で推移しています。なお、この間に米国のトランプ大統領はカナダ、メキシコ、欧州連合(EU)への関税賦課に言及しましたが、トルコが直接の標的にならなかったこともあってドル/リラは小動き。リラ/円は専らドル/円の動きにつれて上下する展開でした。
今週のトルコリラ/円の注目ポイントはCPIと政策金利
まずは、3日(月)に発表されるトルコ2月消費者物価指数(CPI)に注目です。市場予想は前年比+39.95%となっており、2023年6月以来の40%割れが見込まれています。とはいえ、トルコ中銀のインフレ見通しは今年の年末時点で24%と、足元の鈍化ペースでは到底達成できそうにない水準です。中銀もインフレの鈍化ペースが弱いことを認め、今後のインフレ動向次第で利下げを一時停止する可能性を示唆。3日の2月CPIを踏まえ、中銀は利下げ継続か一時停止かを判断することになります。CPIが予想ほど鈍化しなかった場合に利下げを強行すれば、実質金利が再びマイナス圏に沈むことも考えられるだけに、ようやく回復し始めたトルコ中銀に対する市場の信認も再び低下するおそれがあるでしょう。とはいえ、政策金利を45.00%に据え置けば、低金利を所望するエルドアン大統領から強く非難されることになるかもしれません。6日(木)のトルコ中銀金融政策決定会合における政策判断にも注目が集まるでしょう。
今週のトルコリラ/円の見通し
予想レンジ
4.025円~4.175円
基調
方向感模索
今週の注目ポイント
☆3/3 トルコ2月CPI
☆3/6 トルコ中銀政策金利
・主要国株価、国際商品価格
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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