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動画配信期間:公開日から2週間
外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。
昨日の為替市場状況
ドル円は昨日大幅に下落し、151円台半ばから149円40銭台まで下がった
ドルはすべての通貨(ユーロ、豪ドル、ポンドなど)に対して全面安の展開となった
下落の背景については様々な解説があるが、明確な要因は一つではない
日本の金融環境
日本の金利が徐々に上昇基調にあり、これがドル円下落の一因とされている
高田日銀審議委員の講演では「ギアシフト」という表現が使われ、注目を集めた
日銀審議委員の人事異動:安達氏(リフレ派)が辞任し、早稲田大学教授の小枝淳子氏(リフレ派に批判的、正統派経済学者)が就任予定
日銀内部が「高金利派」で固められつつあるという見方も広がっている
これらの人事変更も為替市場に影響を与えた可能性がある
米国の経済状況
先日の米国小売売上高のデータは弱い結果だった
ウォールマートの決算自体は著しく悪いわけではなかったが、将来見通しが市場予想を下回った
この結果、ウォールマート株は売られる展開となった
これらの経済指標も市場センチメントに影響している
トランプ政権の動向と影響
トランプ氏のウクライナ戦争終結へのアプローチがロシア寄り過ぎるという懸念が広がっている
プーチン大統領の主張をほぼ全面的に受け入れる形での終戦交渉姿勢が見られる
これまでG7が掲げてきた「民主主義擁護」「ウクライナ支援」「国際法違反への対抗」という方針から180度の転換
このような急激な政策転換は、アメリカの戦後秩序維持国(Pax Americana)としての役割に重大な疑問符を投げかけている
将来的に日米安保や台湾問題、尖閣諸島問題などでも同様の急激な方針転換が起こる可能性への懸念が高まっている
「アメリカの覇権時代は終わるのではないか」という緊張感が市場に広がっている
ドル安の背景
アメリカは経常収支の赤字が大きいにもかかわらず、世界中から資金が流入することでドルが支えられてきた
しかし現在、アメリカへの資金流入に対する信頼が揺らいでいる
ベッセント財務長官は「強いドルを支持する」と発言しているが、これは単なる「枕詞」に過ぎないという見方
むしろ「他国が通貨操作をすることは望まない」という発言の方が本音であり、日本円や人民元への警戒を示している
トランプ政権は貿易赤字削減のためにドル安を志向している可能性がある
ウクライナ情勢の早期終結を目指す背景には、「資源価格の抑制→インフレ抑制→ドル安実現→米国労働者の雇用環境改善」という戦略がある可能性
日本のCPI(消費者物価指数)について
本日発表予定のCPIは高い数値が予想される(※動画収録は発表前の朝7時)
特に米価格の高騰が全体の数値を押し上げると見られる
政府は備蓄米の放出を決定したが、日本CPIへの影響は限定的と予想されている
日本CPIの数値が低く出たとしても、売り場になる可能性が高い
市場の今後の見通し
ウクライナ情勢に関するトランプ政権の動向次第では、ドル安がさらに進む可能性がある
金利動向などの経済指標よりも、アメリカのドル基軸通貨体制維持への姿勢が現在の市場の焦点となっている
日本の金融当局に対して、ベッセント財務長官から「金利が低すぎる」との圧力がかかっている可能性も指摘されている
植田日銀総裁や加藤財務大臣、赤澤経済財政担当大臣の訪米時にもこうした圧力があった可能性がある
結論
現在のドル安は一時的な現象ではなく、アメリカの基軸通貨体制維持への姿勢に対する根本的な疑問から生じている「根深い」問題ではないか
今後はウクライナ情勢を中心とした地政学的リスクと、アメリカの通貨政策の動向が市場を左右する重要な要因となるだろう
世界の金融秩序が変化する可能性を視野に入れた投資戦略が求められる時期に入ったかもしれない
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慶應義塾経済学部卒。1988年ー1995年ゴールドマン・サックス、2006-2008年ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任、その後香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立した後も、世界各地の有力トレーダーと交流があり、現在も現役トレーダーとして活躍。
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