「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆：外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
X(Twitter) : https://twitter.com/gaitamesk_ueha
最新のマーケット情報まとめ
1. 現在の相場状況
- 152円を割り込み、151.500円付近まで下落する展開
- 先週一時的に154円台まで持ち直すも、155円を前に伸び悩む
- 10日移動平均線が上値を抑える形となっている
- 直近安値150.90円を試す展開の可能性が高まっている
- トレンドラインは148-150円ラインで、この支持線での反発も考えられる
2. 下落の主要因（2つの要因が重なる）
【アメリカの景気減速懸念】
- 小売売上高が予想を大きく下回る
- 総合指数：-0.9%
- 自動車除き：-0.4%（予想+0.3%）
- カリフォルニアの山火事や寒波の影響の可能性も指摘
- 市場は利下げ時期の前倒し観測を強める
- FRBの利下げ観測：9月から7月へと前倒し予想が強まる
【日本の追加利上げ観測】
- 12月期GDP速報値が予想以上の好調さ
- 前期比：+0.7%（予想+0.3%）
- 年率：+2.8%（予想+1.0%）
- 年内早期の利上げ期待が市場で強まる
- 日銀の利上げ観測：7月での利上げ確率が上昇
3. 今週の重要注目ポイント
【日本側の要因】
- 消費者物価指数の発表（週末）
- 高田日銀審議委員の講演・記者会見（2月19日）
- 過去に相場に大きな影響を与えてきた発言
- 年内1%への金利引き上げに言及する可能性
- 発言次第で円高圧力が強まる可能性
【その他の要因】
- トランプ関連ニュース（特にNY市場での影響に注意）
- 突発的なニュースによる相場変動リスク
4. テクニカル分析における重要ポイント
【下値メド】
- 150.90-95円の直近安値が重要な節目
- これを下抜けた場合、150円の心理的節目
- さらに下落した場合、148.60円が次の目標
【上値メド】
- 152.70円付近の200日移動平均線が最初の壁
- 153円を突破した場合、154.50円までの上昇も
- 持ち直しの動きを強めるとダブルボトム形成の可能性
【重要な転換点】
- 152円が上値・下値の分岐点
- この水準を基準に売り目線・買い目線を判断
結論：
- 当面は日銀関連のニュースが相場の方向性を決定づける可能性が高い
- 現状は下落トレンドが継続しており、150.90円の直近安値を試す展開も予想される
- ただし、152円を上抜けた場合は、上値を試す展開に転換する可能性が高い
- チャート的には152円を分岐点として、上下どちらの展開もあり得る状況
- 特に日本側の要因（GDP好調、日銀高田審議委員の発言など）が円高圧力として作用する可能性が高い
トレード戦略としては、152円を意識した売買の切り替えが重要で、それぞれの目標値を意識した取引が推奨される展開となっている。
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員宇栄原 宗平（うえはら・しゅうへい）
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか！』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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