主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年12月23日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼20日(金)の為替相場
(1):日本コアCPIは予想を上回る
(2):円安けん制発言相次ぐ
(3):英小売売上高は予想に届かず
(4):米PCEデフレーターは伸びが加速
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:動意の薄い展開が予想される/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
20日(金)の為替相場
期間:20日(金)午前7時10分~21日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本コアCPIは予想を上回る
日本11月消費者物価指数(CPI)は日銀が注目する生鮮食品を除いたコアベースで前年比+2.7%と市場予想(+2.6%)を上回り、前月(+2.3%)から加速。生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは前年比+2.4%で、市場予想(+2.4%)通りに前月(+2.3%)を上回る伸びとなった。
(2):円安けん制発言相次ぐ
加藤財務相は閣議後の会見で、急速な円安進行について「足元では一方的、また急激な動きがみられる」「為替動向を憂慮しており、行き過ぎた動きには適切な対応を取る」などと語った。また午後には三村財務官も「投機的な動きも含めて、為替動向を憂慮している」と警戒感を示した。
(3):英小売売上高は予想に届かず
英11月小売売上高は前月比+0.2%と市場予想(+0.5%)を大幅に下回った。自動車燃料を除いた売上高も前月比+0.3%と予想を(+0.5%)を下回った。
(4):米PCEデフレーターは伸びが加速
米11月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前年比+2.4%と前月(+2.3%)から伸びが加速したが、市場予想(+2.5%)は下回った。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは前年比+2.8%で前月から横ばい(予想+2.9%)だった。
20日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
- ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(無料)では「取引分析」 を選択することで、チャート上に注文情報の表示が可能です。
- ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。
人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:動意の薄い展開が予想される
20日のドル/円は終値ベースでは約0.6%下落。東京時間には約5カ月ぶりとなる157.93円前後まで上値を伸ばした。ただ日本の政府高官による円安けん制発言が相次いだこと、米11月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)が予想を下回ったことなどから、その後一時156円台を割り込んだ。
今週は25日(水)にクリスマスを控え、明日24日のNY市場は株式・債券市場が短縮取引となるなど、特に海外時間には市場参加者が通常よりも少なく、ドル/円は動意の薄い展開が予想される。ただし本日発表される、米11月新築住宅販売件数や米12月消費者信頼感指数などの経済指標には注意が必要だろう。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しに大きな影響を与えるほどの経済指標ではないが、市場参加者が少ないだけに指標結果に対してドル/円が普段以上に大きく反応する可能性もある。
注目の経済指標:米消費者信頼感指数
注目のイベント:特になし
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。