20日の日経平均は6日続落。終値は111円安の38701円。米国株はまちまちかつ、小動きとなったが、ダウ平均が11日ぶりにプラスで終えたことや円安進行に好反応を示して、3桁上昇スタート。ただ、高く始まった後は不安定な動きが続いた。上げ幅を200円超に広げても、節目の39000円を超えると上値が重くなった。前場では値を消してもマイナス圏に沈んだところでは買いが入ったが、後場はマイナス圏で推移する時間が長かった。終盤にかけての動きが弱く、3桁の下落かつ安値引けとなった。
東証プライムの売買代金は概算で5兆7100億円。業種別では不動産、石油・石炭、輸送用機器などが上昇した一方、銀行、その他製品、空運などが下落した。大幅な増配を発表した日本リーテックが急騰。半面、KADOKAWAがストップ安比例配分と暴落した。ソニーグループとの資本業務提携を発表したが、11月にはソニーGによる買収観測が報じられて強く買われていただけに、買収による株価引き上げ期待がはく落して売りが殺到した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり571/値下がり1021。日銀会合後の植田総裁会見で追加利上げに慎重姿勢が見られたことから、三井不動産や住友不動産など大手不動産株に強い買いが入った。証券会社が投資判断を引き上げたENEOSが大幅高。円安進行を受けてトヨタやSUBARUなど自動車株に資金が向かった。日経記事を材料に三井E&Sが急伸。次期の見通しを提示し、今期の期末配当に関しては増額を検討していることを発表したサイボウズがストップ高比例配分となった。
一方、日銀の早期利上げ期待が後退したことから、三菱UFJや三井住友など銀行株が大幅安。住信SBIや楽天銀行などネット銀行株も大きめの下げとなった。米長期金利の上昇や米マイクロンの急落を嫌気してレーザーテック、ディスコ、ソシオネクストなど半導体株が軒並み安。レーザーテックは複数の証券会社が目標株価を引き下げたことも売り材料となった。証券会社が投資評価を引き下げたIHIが3%安。リリースを材料にオンコリスがストップ安となった。
日経平均は6日続落。上昇していた前場でも主力銘柄はさえない動きのものが多く、後場は握力がなくなったかのように水準を切り下げた。きょうは不動産株買い、銀行株売りと、日銀の利上げがしばらくないことを意識したような動きが見られた。ただ、今週は円安・ドル高が進んでおり、一段と円安が進めば日銀が利上げを余儀なくされるいった指摘もある。この傾向がこの先も続くとは限らない。為替と金利に敏感な業種は目先の動きが不安定となる可能性がある点には注意を要する。
【来週の見通し】
小動きか。水曜25日は米国など多くがクリスマスで休場。翌週は月曜30日の大納会のみとなるため、市場参加者の大幅な減少が予想される。12月FOMCの結果を受けた18日にダウ平均が4桁の下落となったことから、年末株高に対する期待は高まりづらい。一方、日経平均は20日まで6日続落となっており、ここから一段安となるようなら押し目買いは期待できる。方向感が定まりづらく、週を通しては水準が大きく変化しないと予想する。大型株は手がけづらくなる一方、IPOは多いだけに、値幅を求めた資金は新興市場に向かうだろう。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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