このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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4会合連続の利下げは確実な情勢
19日にメキシコ中銀が政策金利を発表する。前回11月会合では政策金利を10.25%へ引き下げた上で「物価動向を把握する適切な指標と見なすコア物価上昇率が減速を続けると想定される」「そうした環境によって政策金利のさらなる調整が可能になるだろう」との見解を示した。実際に、先週9日に発表されたメキシコの11月コア消費者物価指数(CPI)は前年比+3.58%となり、前月の+3.80%から伸びが鈍化。中銀のインフレ目標(2-4%)の中央値に向かって上昇幅が縮小していることから、今回も4会合連続の利下げが確実と見る。
利下げ幅については前日のFOMCにも注目
なお、利下げ自体は市場も織り込み済みの模様だが、利下げ幅についてはいくぶん見方が分かれているようだ。現地エコノミストの大半は25bp(0.25%ポイント)予想だが、一部には50bpを予想する声もある。もっとも、メキシコ中銀の利下げ幅に関する決定には、前日18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)も影響を及ぼす公算が大きい。FOMCは25bpの利下げが確実視されているものの、政策金利見通し(ドットチャート)で示す来年以降の利下げペースが鈍化方向に大きく修正されるとの見方がある。仮にFOMCがドルの上昇を促す結果となり、ドル高・ペソ安が進んだ局面でメキシコ中銀が大幅利下げを行なえばペソ安を加速させかねない。ペソ安加速でメキシコのインフレが再燃する可能性を考えると大幅な利下げには踏み切りにくくなるだろう。反対に、FOMC後にドル安・ペソ高が進んでいればメキシコ中銀としては大幅利下げに踏み切りやすくなると考えられる。メキシコ中銀の利下げについては、前日のFOMCとドルの動きも手掛かりのひとつになりそうだ。
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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