今週の注目通貨ペア・銘柄はこれだ!
■ オージー/円 下落トレンド入りの可能性も・・・
先週は、月曜日に高値を付け、金曜日に安値を付ける展開でした。先々週末の引け味が悪く下値不安が懸念された点は他の対円の通貨ペアと同様ですが、週末にかけて安値を更新した動きはオージー円に独特な値動きとなっています。他の対円の通貨ペアが程度の差こそあれ戻りを見せたのに対して、オージー円は金曜日の陰線で終値ベースの安値を更新している点が大きな特徴となっています。
移動平均線は、3本とも下落しました。中期・長期の移動平均線のデッドクロスが間近に控えているのに加えて、実体線が短期の移動平均線に頭を抑えられつつ3本の移動平均線の下側で推移しています。下落トレンドを消化中と考えてよいのではないでしょうか。MACDもゼロライン割れから下落を継続していて、買い方の投げを誘う形となっていますね。
今週は、売り先行スタンスで臨みたいところです。実体線は水準的には9月中旬のレベルまで下落してきていますが、先週の動きを見る限り、月曜から水曜にかけて形成した3本の下ヒゲを金曜日の陰線で完全に埋め尽くす形となっています。回帰力が働いて実体線が長期の移動平均線に戻るのではなく、下落トレンドの継続の実現により一層の下落懸念が高まっていると考えてよいような気がします。安易な押し目買いは禁物でしょう。
その他 通貨ペア・銘柄分析
■ ドル/円 戻りの鈍さが目立つが・・・
先週は、火曜日に安値を付け、水曜日に高値を付ける展開でした。先々週の週末の引け味が悪かったことで下値不安が懸念されましたが、火曜日に付けた安値を更新することなく何とか耐え忍んでいると言った状況ではないでしょうか。ただ、先々週の金曜日の胴体部分を回復するには至らず、ボリンジャーバンドの幅も広がっていることから、やや不安定な形での越週と言えるかもしれません。
今週は、気持ち売り先行スタンスで臨みたいところです。チャート上に明確な売りを示す兆候は見当たりませんが、実体線の居場所がかなり低い位置にあることを考えると、水準感からの押し目買いはワークしない可能性が高いような気がします。特に先週水曜日の陽線の出現の後、追撃の買いが全く見られなかったことは買い方にとって大きな懸念のような気がします。
■ ユーロ/円 戻りを試す展開なのか・・・
先週は、火曜日に安値を付け、金曜日に高値を付ける展開でした。先々週末の引け味が悪く週初から下値不安が懸念された点はドル円と同様ですが、水曜日の後も上値追いの動きを見せた点がユーロ円とドル円の大きな違いとなっています。戻りの鈍さは否めませんが、それでも火曜日以降、上値・下値とも切り上げてきていますので、それなりに下方硬直性を見せ始めていると考えてよいかもしれませんね。
今週は、少し様子を見てみたい感じがしています。チャート上に明確な売り・買いの兆候を探し当てることはできませんが、どちらかと言うと売りスタンスを取りたいところ、ただ、対円のチャートで言えばユーロ円よりもドル円の方が下値追いの可能性が高いことから、消去法的にユーロ円の売りよりもドル円の売りの方が選択されやすいのではないでしょうか。戻りは戻りとして強いわけではないと見切り、見送るのが賢明かもしれませんね。
■ ポンド/円 上値の重さがかなり目立つが・・・
先週は、火曜日に安値を付け、金曜日に高値を付ける展開でした。チャートの形状は概ねユーロ円と同様、火曜日に安値を付けた後は上値・下値ともに切り上げる形を見せています。ただ、戻りは戻りとして限界があるのではないかというのはチャートの見た目の解釈としては正しいような気がします。また、188円割れ寸前のところから3円以上戻しての越週となっていますので、これはこれで評価の対象とすべきかもしれません。
今週は、少し様子を見てみたい感じがしています。先週後半に戻したことで上値追いの動きに期待もかかりますが、やはり実体線が上伸すればするほど中期・長期の移動平均線が控えている状況が鮮明になりつつありますので、容易に買い進むことはできないような気がします。日々の値幅は意外に小さくありませんので、目先の値動きに注意と言いますか、不用意なポジションで損失を出さないようなマネッジが重要のような気がします。
■ ユーロ/ドル 小康状態が続くか・・・
先週は、月曜日に安値を付け、金曜日に高値を付ける展開でした。月曜日の陰線を木曜日の陽線で取り返し、金曜日は上値追いの動きを見せたもののやや失敗した形、ただ、下値不安もそれほど感じさせないような状況での越週となっています。ボリンジャーバンドの幅が縮まっていることで分かるように、日々の値動きはそれほど大きなものではありません。静寂の中にあって下値不安を少しずつ払拭しているという状況なのでしょうか。
今週は、少し様子を見てみたい感じがしています。先週の動きを通じて目先の下値不安が和らいだことに間違いはないわけですが、とは言え、ここから上は11月上旬の取引価格帯が控えていて、大きな戻りを期待するのは厳しいのではないでしょうか。価格推移の見通しとしては若干の戻りを予想しますが、かと言ってその戻りを買いで取りにいくほどの高い価値はないような気がしています。
■ 米国SP500 上値追いの動きが続くか・・・
先週は、週初から上値追いの動きを見せ、木曜日こそ小陰線で若干の下押しを見せましたが、金曜日は再び陽線で上値追いの動き、終値ベースで史上最高値を更新しての越週となっています。チャート的には、もう、強いとしか言いようのない形状となっています。3本の移動平均線がいずれも上昇傾向を維持、実体線は短期の移動平均線の上側で推移する時間帯が圧倒的に長く、少しでも下落する局面があれば売り方の買い戻しがすかさず持ち込まれる展開が続いています。
今週は、と言うか、今週も、買い先行スタンスで臨まざるを得ないと考えます。チャート的に売りを示唆するものは見当たらず、また、過熱感を伴った上昇というわけでもなく、緩やかな上昇トレンドが継続している状況ですので、買いでインするより選択がないという感じでしょうか。多少なりとも下押しする場面があれば買い方も焦る可能性があるのですが、そういった局面自体が直近はほとんどありません。逆指値を入れつつ上値追いの動きに期待する、月並みですがそういう単純なストラテジーに最適な状況が続いていると言えそうです。
今週のチャートリーディング ~相場の強さ~
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