メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2024年12月6日15時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
豪ドル/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週の豪ドル/円は2カ月半ぶり安値へ下落
週初2日は、豪10月小売売上高が予想を上回ったことなどから98.01円前後まで上昇しましたが、フランスの政局不安などを背景に反落。3日には韓国で非常戒厳が宣布されたことを嫌気して売りが強まる場面もありました。4日には豪7-9月期国内総生産(GDP)が約4年ぶりの低成長となったことで9月18日以来の安値となる95.91円前後まで下落しました。その後は、米国株の最高値更新などを支えに持ち直す動きも見られましたが、翌5日にかけて97円台に乗せると戻り売りが強まるなど、上値の重さが目立つ展開が続きました。米国のトランプ次期大統領が中国に対して、より厳しい政策を取るのではないかとの不透明感が豪ドルの上値を抑えているようで、6日の15時時点では96円台前半で推移しています。
今週の豪ドル/円の注目ポイントはRBA
10日(火)に豪中銀(RBA)が政策金利を発表します。政策金利は4.35%に据え置かれることが確実視されています。このため、関心はRBAのタカ派的な政策スタンスに変化があるかどうかに向かうでしょう。7-9月GDPの冴えない結果などを受けて、市場ではRBAが早ければ来年2月にも利下げを開始する可能性があるとの見方が浮上しています。ただし、RBAは複数回の四半期インフレ率鈍化を確認するまでは引き締め姿勢を維持すると表明していることから、少なくとも来年1月末に発表される10-12月期消費者物価指数(CPI)の結果を見るまではタカ派スタンスを変更しないと思われます。したがって、今週10日の声明は利下げに距離を置く姿勢を強調した従来通りのものになる公算が大きいでしょう。今週の豪ドルはRBAのタカ派的な声明によって上昇が期待できる半面、トランプ・リスクがくすぶる中で戻りは限られそうです。なお、12日(木)には豪11月雇用統計の発表も予定されています。
今週の豪ドル/円の見通し
予想レンジ
94.500円~98.000円
基調
上値重い
来週の注目ポイント
☆12/10 RBA政策金利
・12/12 豪11月雇用統計
・主要国株価、国際商品価格
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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