主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年12月5日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼4日(水)の為替相場
(1):豪GDP 約4年ぶりの低成長
(2):日銀観測報道で円売り
(3):ADP全国雇用者数は予想を下回る
(4):ISM非製造業を受けてドル売り
(5):FRB議長慎重な姿勢を示す
(6):仏内閣不信任案が可決
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:再来週の日米金融イベントを意識した動き/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
4日(水)の為替相場
期間:4日(水)午前7時10分~5日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪GDP 約4年ぶりの低成長
豪7-9月期国内総生産(GDP)は前期比+0.3%と市場予想(+0.5%)を下回った。また前年比は+0.8%となり、予想(+1.1%)に反して前期(+1.0%)から減速。コロナ禍だった2020年10-12月期以来の低成長となった。
(2):日銀観測報道で円売り
時事通信が「日銀が米経済などを慎重に見極めるために、年内の利上げを見送る可能性」と報じたほか、マーケットニュース・インターナショナル(MNI)は「日銀は政治を考慮して利上げに慎重にならざるを得ない」と報道。いずれも配信直後はあまり材料視されなかったが、英訳記事を海外勢が材料視した模様でのちに円売りが強まった。
(3):ADP全国雇用者数は予想を下回る
米11月ADP全国雇用者数は14.6万人増と市場予想(15.0万人増)を下回った。また10月分も23.3万人増から18.4万人増へと下方修正された。
(4):ISM非製造業を受けてドル売り
米11月ISM非製造業景況指数は52.1と市場予想(55.7)以上に前回(56.0)から低下した。構成指数では、仕入れ価格が上昇した一方で、雇用や新規受注は低下した。この結果を受けてドルが全般的に売られたため、ドル/円は下落したが、ストレートドルが上昇した影響からクロス円の値動きは上下マチマチだった。
(5):FRB議長慎重な姿勢を示す
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はNYタイムズ社主催の討論イベントで、「インフレ面は目標に達していないが依然進展している」「堅調な経済が続かない理由がない」「中立金利水準を探る中、もう少し慎重になる余地がある」と慎重な姿勢を示した。またトランプ次期政権とは現在のバイデン政権同様に良好な関係を築けるとも語った。
(6):仏内閣不信任案が可決
フランス下院が内閣不信任決議案を可決。バルニエ内閣はわずか2カ月半で総辞職に追い込まれた。これにより、来年度予算案の年内成立は困難になった。
4日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:再来週の日米金融イベントを意識した動き
昨日のドル/円は一部報道を受けて日銀の12月追加利上げ観測が後退したことで円売りが強まると、一時151.23円前後まで上昇した。ただ、米11月ADP全国雇用者数や同ISM非製造業景況指数が予想以上に低下したことでドルが売られたため上げ幅を縮小した。
日銀の12月利上げに対するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場の織り込みは29%まで低下した。本日は中村日銀審議委員が広島県で講演を行う。追加利上げの時期について何かしらのヒントが得られるか注目が集まる。一方で、12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げについて、昨日の一連の弱い米経済指標の結果を受けて、Fedウォッチでは25bp(0.25%ポイント)利下げの確率が77.5%まで上昇している。本日発表の米新規失業保険申請件数によりさらに利下げ確率が高まるか注目したい。ドル/円は再来週に予定されている日米双方の金融政策イベントを意識した値動きが続きそうだ。
注目の経済指標:新規失業保険申請件数
注目のイベント:日銀審議委員発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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