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【見通し】ロンドン為替見通し=ECB理事の慎重論をもう暫く「そしゃく」、独CPIで動意付くことも

本日のロンドン為替市場では、昨日のユーロドル上昇のきっかけとなった欧州中央銀行(ECB)メンバーの発言をもう暫く咀嚼(そしゃく)しながら、午後の11月独インフレ指標や欧州金融当局者の講演を待つ展開か。また昨日同様に月末に絡んだフローに注意し、地政学リスクやトランプ関税リスクの強弱にも目を向けておく必要はあるだろう。

 昨日はシュナーベルECB専務理事が、過度な利下げに慎重な姿勢を示した。同専務理事の金融スタンスはタカ派と見られているため、決してビッグサプライズではない。ただ市場で溜まったユーロショートを買い戻すきっかけとなったようだ。

 本日は11月独消費者物価指数(CPI)の後に、フランスとオランダの中銀総裁が講演予定。特にシュナーベル氏よりもタカ派とされるクノット・オランダ中銀総裁は、昨日以上に追加利下げに対して消極的な姿勢を示す可能性はあるだろう。そこでユーロ相場がどのような反応をするのかが注目となる。

 11月独CPIは前年比2.3%と前回を0.3ポイント上振れが予想されている。2カ月連続の加速であり、9月の1.6%で底打ち感が出てくるようだと、シュナーベル氏の慎重論を後押しすることになるだろう。米国が感謝祭の祝日で材料不足のなか、結果の上下振れでユーロドルが動意付く可能性はある。

 ウクライナ・ロシア戦争に関してはトランプ次期米大統領が昨日、戦争終結に向けた特使ポストにケロッグ退役陸軍中将を起用すると述べた。ケロッグ氏の終結案は現状の前線をもとにして交渉を始めるとしており、そのままではウクライナが受け入れないと見られている。地政学リスクへの警戒感はなかなか緩みそうにないか。

 トランプ関税については、昨日メキシコがトランプ関税に対する報復関税を示唆したことが昨日伝わった。もっとも東京時間に入るとトランプ氏は、メキシコ大統領と不法移民問題の解決で合意したことをSNSで投稿し、これをきっかけにメキシコペソは急騰。リスクセンチメントの改善につながっている。

想定レンジ上限
・ユーロドル、21日移動平均線1.0640ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0473ドル


(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ