メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2024年11月15日15時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
トルコリラ/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週のトルコリラ/円は3カ月半ぶり高値へ上昇
トランプトレードの一環であるドル買いが市場を席捲する中、リラに対しては比較的ドル高の動きが穏やかだったことから、リラ/円はドル/円と概ね歩調を合わせて上昇しました。今月7日にトルコのボラト貿易相が「米国の次期トランプ政権がトルコの鉄鋼・繊維製品に対する関税を引き下げる」との見通しを示したことが対ドルでのリラ下げ渋りに繫がった模様です。米長期金利の上昇を背景にドル/円が155円台を回復した13日、リラ/円は4.520円前後まで上伸。ドル/円が156.70円台まで上値を伸ばした15日の東京市場ではリラ/円も7月31日以来、3カ月半ぶりの高値となる7.550円前後を付けています。
今週のトルコリラ/円の注目ポイントトルコ中銀声明
今週21日にトルコ中銀が政策金利を発表します。市場の予想は据え置きの50.00%でほぼ一致。見どころは金利より声明で示される今後の政策スタンスになりそうです。中銀は今月8日に発表したインフレ報告で今年と来年の物価見通しを上方修正。今年末の予測を38%から44%へ、来年末を14%から21%へと引き上げました。これにより、市場では中銀が当面の間、金利を50.00%に据え置くとの観測が広がり、利下げ開始は早くても来年春になるとの見方に傾いています。中銀は前回10月の声明で「月次インフレの基調に、顕著かつ持続的な低下が観察され、インフレ期待が予測された範囲に収束するまで、金融引き締めの姿勢を維持する」と表明。今月のインフレ報告では「断固たる引き締めスタンスは、国内需要の緩和、トルコリラの実質的な上昇、インフレ期待の改善の中で、インフレ率のコア指数の低下傾向を支える」と強調しました。今回の声明でも引き締めスタンスの維持をあらためて表明するものと思われます。
来週のトルコリラ/円の見通し
予想レンジ
4.425円~4.650円
基調
底堅い
来週までの注目ポイント
☆11/21 トルコ中銀政策金利
・主要国株価、国際商品価格
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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