NYタイムは、東京タイム午前からすでに織り込み始めている米大統領選挙のトランプ氏勝利を見据えた「トランプトレード」を背景とするドル買い優位の展開が基本路線となるだろう。
ただ、人工知能(AI)を駆使したアルゴリズム取引で早々にトランプ勝利に関連した材料を相応に織り込んだ可能性もあり、次いで課題となってくる米債務問題によるドルの価値棄損などを意識した売りが思った以上に短絡的に進むリスクにも注意が必要となる。
短期投機的な取引を手掛ける市場参加者が、想定以上に「トランプトレード」を後押しとしたドル買いに利が乗ったとして、米債務状況の行方などをポジション取り崩しの理由づけとして利用する可能性も念頭に置いて臨みたい。
東京タイムはドル高を支援に対ドルでは円安が進んだことから、本邦輸出企業などのメリットに着目した株高も進みやすかった。しかし米株市場では米金利上昇が重しとして意識されるだろう。本邦株価の上昇と相まって円売りが支援されやすかった状況に変化が生じるパターンは想定しておいたほうがよいだろう。
午前3時の米30年債入札の結果にも注意したい。米債務状況の先行きへの不安から米金利が振れやすく神経質な状態のなか、入札は短期的な要因も含む債券需給が材料ではあるものの、米金利を上下させる要因になると考えられ、ドル相場への影響に留意する必要がある。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、7月30日高値155.22円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、1日高値153.09円。
(関口)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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