5日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は421円高の38474円。三連休前の1日に1027円安と4桁の下落となったが、連休の間の米国株は比較的落ち着いていたことから、200円超上昇して始まった。序盤では高く始まっても気迷いムードが強かったが、下値不安が後退したことで、次第に上方向への勢いを強める展開。38500円台に乗せたところでは値動きが落ち着いてきたものの、強い基調は崩れず、後場には38600円台に乗せる場面もあった。
本日から取引時間が30分延長となったが、15時以降の動意は限られた。38556.26円でいったん動きが止まって15時25分からクロージング・オークションに突入し、やや値を消して38474.90円で取引時間変更初日の取引を終えた。グロース250指数は買い先行からマイナス圏に沈んだ後、終盤に一時プラス圏に浮上したが、買いが続かず小幅な下落で終了した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆0400億円。業種別では証券・商品先物、非鉄金属、卸売などが上昇した一方、その他製品、空運、サービスなどが下落した。上方修正と増配を発表したオルガノがストップ高。前場にストップ高で寄り付き、後場の取引時間中は張り付いて値が付かなかった。半面、後場に上期決算を発表した三菱重工業は、増益着地ではあったものの市場の期待には届かず、発表後はマイナス圏が定着して2%を超える下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり983/値下がり620。ファーストリテイリングが2%近い上昇。ディスコが4%高となるなど、値がさ株の動きが良かった。ドル円の落ち着きを手がかりにマツダ、SUBARU、三菱自など自動車株が大幅上昇。上方修正と増配を発表したサンリオが12.8%高となり、全市場の売買代金ランキングでトップ10入りした。業績関連では住友電工、東京精密、ヤマシンフィルタなども急伸。上場20周年記念配当など株主還元強化策が好感されたエフ・シー・シーが、一時ストップ高となるなど値を飛ばした。
一方、任天堂やリクルートなどグロース系の一角が大幅安。主力どころでは日立、フジクラ、ソフトバンクGなどが弱かった。上期減益のJALが売りに押され、ANAHDも連れ安。上期減益着地のワークマンが4%安となり、下方修正を発表したヤマハやDMG森精機が2桁の下落率となった。
日経平均は大幅上昇。1日の下げ分(1027円安)は埋められなかったが、半分程度は戻した。市場予想を下回る米10月雇用統計を受けても円高(ドル安)加速とはならなかったことで、悲観に傾きすぎた分の修正が入った。
本日、米国では大統領選の投開票が実施される。そして、開票に絡むニュースをあすの東京市場で一足先に消化することになる。ただ、大接戦が伝わっており、結果の判明には日数を要するかもしれない。取引時間中に大勢が決したとしても、米国マーケットの反応を見極めたい局面だけに、あすは不安定な動きが続くだろう。
国内ではトヨタとホンダの自動車大手が後場の取引時間中に決算を発表する予定。米国では6日~7日の日程でFOMCが開催されるが、FRBの0.25%利下げに対する織り込みは進んでいる。日本の衆院選には当てはまらなかったが、「選挙は買い」のアノマリーで大統領選通過後に米国株が強含むのであれば、ドルは買われやすくなる。米国の重要イベントを消化して円高(ドル安)がそれほど進まないのであれば、日本の自動車株には見直し余地が出てくる。大手2社の決算が自動車株の買い安心感を高める材料となる展開に期待したい。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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