執筆日時:2024年11月5日 12時30分
執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人
※チャート:ドル/円-15分足 外為どっとコム「ネオチャート」
一時的要因割り引いても米雇用は鈍化、FOMCは追加利下げへ
11月1日に発表された、米国の10月非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想の11.3万人増を大きく下回る1.2万人増(9月分は25.4万人増から22.3万人増へ下方修正)となりました。また、失業率は9月から横ばいの4.1%だったほか、時間給は前月比で0.4%の伸びと、9月と同じでした。ボーイングのストライキの影響で4万人程度、天候不良で5万人程度、雇用者数が押し下げられたことが影響しました。分野別では、製造業、人材派遣、娯楽・接客などさえない結果となりました。
一時的要因を除けば10万人程度の雇用者増加だったと見られ、米国の雇用情勢が急速に悪化していると言えませんが、労働市場が緩やかに冷やされていることを否定するデータとも言えません。OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場では、11月7日のFOMCでの0.25%利下げを98%程度織り込んでいます。
指標発表後、米ドル/円は152.70円付近から151.794円まで下落しましたが、4.23%台まで低下していた米長期金利が4.38%台まで反発すると、米ドル/円も153.092円まで上昇幅を広げました。また株式市場は、雇用統計への反応は限定的で、前日に発表されたアップルの好決算に支えられて、ダウ平均株価は前日比288.73ドル高い40345.41ドルで引けました。
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米雇用統計の予想と戦略(先行記事へのリンク)
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