◆豪ドル、米大統領選挙を受けた株式市場の動向に左右
◆豪ドル、RBAは据え置き予想も声明文に注目
◆ZAR、トランプ前米大統領の返り咲きはZAR売り要因に
予想レンジ
豪ドル円 98.00-103.00円
南ア・ランド円 8.40-8.90円
11月4日週の展望
豪ドルは、国内外の重要イベントの結果を受けて大きく上下を繰り返すことが予想される。豪州国内では、5日の豪準備銀行(RBA)理事会に注目。今週10月30日に発表された7-9月期消費者物価指数(CPI)は前年比で前回の3.8%から2.8%へと低下した。しかし、この低下は政府の補助金により電気料金が17.3%下落したことなどが要因。トリム平均値はさほど低下していないこともあり、RBAの最初の利下げは来年前半という市場の予想は変わっていない。おそらく理事会では据え置きとなるだろうが、声明文に変化が生じるかには注意したいところだ。また、7日には9月貿易収支が発表されるほか、8日にはジョーンズRBA副総裁が講演を予定している。
国外では、5日の米大統領選挙に注目。ハリス副大統領とトランプ前大統領の争いは拮抗している。市場ではいずれの候補になろうとも、減税と拡張的な財政政策を公約に挙げていることで、米長期金利の上昇とドル買いになるとの予想が高い。もっとも、市場は既にこの路線を織り込んでおり、選挙結果を受けて更に米金利上昇とドル買いになるかは未知数だ。先週末の衆議院選挙でも、与党の過半数割れは株安につながるとの予想もあったが、実際には株高・円売りへと反応したように、予想通りに動意づくかは予断を許さない。豪ドルはリスクに敏感な通貨であり、大統領選挙後の株式市場の動向には、他の通貨以上に反応する可能性が高い。
なお、NZからは5日にNZ準備銀行(RBNZ)の金融安定化レポートが公表される。また、6日には7-9月期の失業率が発表予定。7日にはNZ政府から3カ月金融ステートメントも公表される。
ZARも米大統領選挙の結果に左右されるだろう。先週行われたBRICS首脳会議で、ラマポーザ南ア大統領はプーチン露大統領に「ロシアは味方だ」と伝えるなど、南アはロシアや中国との関係が密接になっている。ハリス副大統領が勝利した場合にはZARの値動きは限定的だろうが、トランプ前大統領が返り咲いた場合にはZARは弱含むと思われる。5月29日に、米下院で「米国と南アの2国間関係の全面的な見直し」の決議が行われ、272対144で見直し案が可決されている。これまでは、バイデン米大統領が反対していることで見直し案が通過していないが、トランプ前大統領が就任した場合は通過する可能性がある。その場合は、何千もの品目を米国に無税で輸出することを認めるアフリカ成長機会法(AGOA)の対象から、南アが外される大きなリスクとなるだろう。なお、来週は南アから主だった経済指標の発表は予定されていない。
10月28日週の回顧
豪ドルは上値が抑えられた。小売売上高が弱い結果だったことなどが豪ドルの頭を抑えた。また、対円では日銀の展望レポートで「経済・物価見通しが実現していくとすれば、金融緩和の度合いを調整していく」との見解を示したことも上値を抑制した。
ZARは対円では一時7月中旬以来の水準まで上昇した。もっとも、中期予算政策声明で「今年の財政赤字が対GDP比4.5%から5.0%に拡大される見込み」と発表されたことが上値の重しになった。(了)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
読む前にチェック!最新FX為替情報
読む前にチェック!
最新FX為替情報
CFD銘柄を追加!
最新FX為替情報
- スプレッド
- 始値比
- H
- L