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【見通し】週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、英中銀の政策会合に注目

◆相場全般、米大統領選・FOMCを受けたドルの動きがメイン
◆ポンド、英中銀の政策会合に注目
◆加ドル、10月雇用統計受けた利下げ見通しに注目

予想レンジ
ポンド円 194.00-200.00円 
加ドル円 107.50-111.50円 

11月4日週の展望
 今週、日銀金融政策決定会合と植田日銀総裁の会見を受けて円高に傾いたが、内容に大きなサプライズはなく、円買いは調整の範疇内と見ている。円相場は引き続き日銀の利上げ時期を探りながら、衆院選の結果を受けて不安が高まっている政局の動向を見極める動きとなる。来週は相場全体としては5日の米大統領選、6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を受けたドルの動きがメインとなりそうだ。

 ポンドは7日のイングランド銀行(英中銀、BOE)会合に注目。前回9月会合では政策金利の据え置きを決定したが、9月の消費者物価指数(CPI)やサービス価格の上昇率の伸びが大幅に鈍化し、市場は来週の会合での0.25%利下げを織り込んでいる。ベイリーBOE総裁が「ディスインフレは予想以上に速い」との見解を示したことで、12月会合でも追加利下げに踏み切るとの観測が高まったが、英政府の予算案を受けて短期金融市場ではBOEが11月に利下げを実施した後、12月は据え置きの見通しが追加利下げ予想を上回っている。

 今週、スターマー労働党政権で初となる予算案が発表されたが、過去30年間で最大規模となる年間400億ポンドの増税計画が明らかになった。英政府の財政拡張方針は短期的に経済を加速させるが、同時にインフレ率も上昇させ、BOEの政策金利が長期で高止まりする可能性が高まっている。予算責任局(OBR)は来年のインフレ率見通しを1.5%から2.6%に引き上げた。

 加ドルでは、8日に10月の雇用データが予定されている。9月の雇用統計では、失業率が6.5%と予想外に低下し、新規雇用者数は予想を大きく上回る4.67万人増と良好な結果だった。10月も改善が続くかどうかに注目したい。さえない結果となれば、カナダ中銀(BOC)の積極的な緩和姿勢を後押しすることになりそうだ。また、対円では日本国内で日銀の金融政策イベントはこなしたが、衆院選を受けた政局となっており、引き続き関連のヘッドラインに左右されそうだ。

 なお、マックレムBOC総裁は今週、「年初来で4回実施した利下げの効果が出始めており、今後数カ月で一段の証拠が確認される」との見通しを示した。また、「経済がおおむね予想通りに推移すれば、追加利下げに踏み切ることができる」との見解を改めて表明。「利下げを継続することで家計支出の回復が早まり経済成長が高まる可能性がある」と発言している。

10月28日週の回顧
 衆院選で政権与党が過半数割れしたことを受けて、週明けから円売りが先行したが、日銀会合後に円買いに振れてクロス円は失速。ポンド円は199円後半、加ドル円は110円後半で上昇が一服した。ポンドドルは英政府の予算案公表を受けて神経質な動きとなるも方向感は出なかったが、月末絡みの売りも見られ1.28ドル半ばまで下落した。ドルの底堅い動きが続くなか、ドル/加ドルは1.39加ドル半ばまでドル高・加ドル安となった。(了)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ