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【見通し】株式明日の戦略-4日ぶり反落も下げ渋る、円高進行は警戒材料

31日の日経平均は4日ぶり反落。終値は196円安の39081円。米国株安を受けて下落スタート。序盤では下を試しに行ったが、節目の39000円を割り込んだところでいったん持ち直した。日銀は金融政策の現状維持を決定したが、昼休みにこの発表が出てきた後、ドル円がやや円高に傾斜した。この動きを嫌気して後場は改めての売りに押され、一時下げ幅を400円超に拡大。38800円台に突入した。ただ、14時辺りからは値を戻す流れとなり、終値では39000円を上回った。グロース250指数は上昇しており、後場にかけては一段と水準を切り上げ高値圏で終了した。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆9700億円。業種別では金属製品、海運、陸運などが上昇した一方、電気機器、パルプ・紙、卸売などが下落した。上方修正、増配、自己株取得を発表した東京鉄鋼が、後場に買いを集めてストップ高。半面、通期の利益見通しを引き下げた豊田自動織機が後場に入って急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1136/値下がり458。上方修正や自己株取得を発表したアドバンテストが、全市場の売買代金ランキング1位となる大商いで6.4%高。通期の純利益見通し引き上げや自己株取得を発表した商船三井も商いを伴って大きく上昇した。LIXIL、いちよし証券、中外炉工業などは、決算を材料に2桁の上昇率となった。業績関連以外では、新作ゲームの出足好調が確認できたDeNAが急伸した。

 一方、決算が市場の期待に届かなかった日立が5.4%安。ルネサスが大幅安となり、京セラやエムスリーは2桁の下落率となった。前期の営業利益が計画未達となったストライクはストップ安まで売り込まれた。米国で監査役の辞任が伝わったスーパー・マイクロ・コンピューターが暴落したことから、同社に水冷モジュールを提供しているニデックが警戒売りに押された。

 日経平均は下落。ただ、後場に崩れたところでも下値は拾われており、プライムでは1000を超える銘柄が上昇した。今週に入って動きが良くなってきたことから、全体の地合いが悪い日でも売り急ぎが抑制されている。東京市場は翌週月曜の11月4日が休場で、あすは三連休前。このタイミングで弱材料に耐性を示したのは良い傾向と言える。

 ただ、ドル円が引け後の植田日銀総裁会見が始まった後に一段と円高が進んでいる。発言内容から、次回12月会合での追加利上げの可能性が意識されているもよう。7月に追加利上げに踏み切っているだけに12月に再利上げがあっても驚きはないが、マーケットの方では、足元の政局混迷でしばらく利上げはないとみていたフシがある。円高が進んだといっても153円台から152円台に入った程度で、このくらいであれば慌てる必要はない。ただ、あす11月1日には米国で10月雇用統計が発表されるだけに、ここからさらに円高が進み、150円割れが警戒されるような動きになってしまうとやっかいだ。為替動向には一定の注意を払っておきたい。


・提供 DZHフィナンシャルリサーチ