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アメリカ大統領選挙(2024年)まで1週間!両候補の経済政策とその未来は…? 特別寄稿:中岡望 氏 #外為ドキッ

 

アメリカ大統領選2024

注目の米大統領選挙について、識者に特別寄稿をいただいた。ハリス候補、トランプ候補、どちらに軍配が上がるのか。その時、アメリカ経済は…。

作成日時:2024年10月29日14時
執筆:ジャーナリスト 中岡望 氏

アメリカ大統領選は2024年11月5日火曜日…激戦州で拮抗する大統領選挙の行方

大統領選挙は最後の段階に差し掛かっている。両陣営は激戦州を中心に、まだ誰に投票するか決めていない層の掘り起こしを図っている。世論調査を見る限り、両陣営は拮抗した戦いを進めており、まだ勝者を予想するのは難しい状況にある。
全国世論調査ではハリス候補がややリードしているが、その差は誤差範囲である。一般投票で多くの票を獲得しても、選挙の勝利につながる訳ではない。勝利するには、各州に割り当てられた選挙人の過半数を取る必要がある。選挙ごとに支持政党が変わる激戦州での勝敗が選挙結果を決めることになる。激戦州はペンシルバニア州など7州あり、個々の激戦州の世論調査では、トランプ候補がやや有利に戦いを進めている。

アメリカの未来を決める2024年大統領選挙の重要性

今回の大統領選挙はアメリカの未来を決める重要な選挙になる。従来の伝統的な保守派対リベラル派の闘いから、伝統的な価値観や反エリートを主張するポピュリストと、EDI(平等・多様性・包括性)を主張するリベラル派の対立へと変わってきている。トランプ候補は権威的な政府を目指しており、同候補の勝利はアメリカ民主主義を根底から変える可能性がある。トランプ候補は、「当選したら政敵を葬る」と語っている。選挙後、両派の暴力的な対立に発展する懸念も指摘されている。

経済政策とインフレ対策:2024年大統領選挙の候補者比較

ただ経済的な側面から言えば、どちらの候補が勝利しても、基本的な傾向は変わらないだろう。最大の懸念であったインフレは、原油価格の下落もあり、鎮静化の方向にある。労働賃金上昇によるコスト・プッシュ・インフレの懸念は残るが、経済が減速する可能性は小さい。
FRB(連邦準備制度理事会)は穏やかな利下げを目指している。ハリス候補はFRBの独立性を守ると語っているが、トランプ候補は逆にFRBに対する支配を強化すると主張している。だが基本的に両候補は金融緩和を求めており、選挙結果でFRBの金融政策が大きく変わる可能性は少ない。

トランプ候補とハリス候補の財政政策と関税政策の違い

さらに言えば、両候補とも「財政拡張政策」を掲げている。かつて財政均衡を主張していた共和党は、現在ではトランプ候補の下で巨額の公共事業を行うと主張している。ハリス候補は中産階級に対する減税や補助金の提供に加え、バイデン政権の政策を引き継ぎ、公共投資を政策の柱においている。経済政策で大きな違いがあるのは、ハリス候補が法人税の引き上げを主張しているのに対して、トランプ候補は減税を主張していることだ。
注目されるのは、トランプ候補の関税政策である。トランプ政権は大幅な関税引き上げを主張しており、保護主義的な政策が推し進められる可能性がある。自由貿易の枠組みが変わるかもしれない。新政権のもとで、為替相場の基調が変わる可能性もある。

米議会選挙の行方とアメリカ政治の未来

議会選挙も忘れてはならない。大統領選挙同様に、どちらの政党が両院の過半数を制するかまだ見通せない。現在、下院は共和党、上院は民主党が過半数を制している。今回の選挙で共和党が両院を制する可能性の方が大きいという見方が多いが、いずれの党が勝利しても、議会の勢力分布は極めて拮抗したものになるだろう。議会の「両極化」と「機能不全」が指摘されるようになって久しい。こうした状況は、今後も基本的に変わりはない。

 
f:id:gaitamesk:20050928094155j:plain 中岡 望 氏
ジャーナリスト、東洋英和女学院大学大学院客員教授。 国際基督教大学卒。
東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)を経て1973年東洋経済新報社に入社。『週刊東洋経済』編集委員、『会社四季報』副編集長などを務め、2002年退社。フリーのジャーナリストへ。 1981~82年フルブライト・ジャーナリスト、ハーバード大学ケネディ政治大学院フェロー。1993年、ハワイの大学院大学イースト・ウエスト・センターのジェファーソン・フェロー。2002~03年、ワシントン大学(セントルイス)ビジティング・スカラー。ジャーナリストとしても、様々なメディアに寄稿、本の執筆、講演活動を展開。
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