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執筆：外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2024年10月25日 13時30分
ポンドはダイバージェンスで買い難い、ユーロはECBの利下げ期待確認へ
ユーロ/円・ポンド/円、買い先行後に利食い売り
ユーロ/円、ポンド/円も底堅く推移。米ドル/円の上昇から為替市場全体に円安が波及し、ユーロ/円は165.021円、ポンド/円は198.429円までそれぞれ上昇幅を広げました。IMF（国際通貨基金）が、日本は今後数年間に緩やかな利上げの軌道にとどまるとの見通しを示したことも、クロス円を下支えした可能性はあります。もっとも、日米選挙を控えた警戒心からさらに上値を追って行く展開とはならず、利益確定売りに押されてユーロ/円は163円後半、ポンド/円は196円半ばへ押し戻されました。（各レート水準は執筆時点のもの）
FX実践解説、前日から一転してドル安相場「いざ、勝負！」（2024年10月24日)
※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。
英予算計画書に警戒
ユーロ圏の経済指標は、大きく変わった点は見受けられず、相変わらず低迷が続いている状況です。こうした点では、12月のECB理事会での利下げは排除できません。ポルトガルのセンテノ中銀総裁は「欧州中央銀行（ECB）は出遅れており、より急速な利下げを検討すべき」と述べており、利下げ幅が0.5％となる可能性も燻ります。OIS（オーバーナイト・インデックス・スワップ）市場では0.5％利下げを3割強織り込んでいます。ただ、独連銀のナーゲル総裁は性急な利下げには否定的で、来週の各GDPや消費者物価指数を確認しながら12月利下げの確度を確かめていくことになりそうです。利下げ期待の剥落や、大幅利下げ期待の動向次第では荒い値動きとなる可能性はあり、注意は怠れません。
ポンドについては、英国では労働党に政権交代後、初めてとなる予算計画書が提出されます。すでにスターマー首相が痛みを伴う予算になると述べており、増税案が盛り込まれる見込みです。どの項目の税が引き上げられるかも注目されますが、最大の注目点は債券市場を混乱させずにバランスが取れた借入計画が示されるかとなります。今のところ、これに対する不安は高くないですが、借入計画に対して難色を示せば、ポンド売り圧力が強まる危険はあり、注意が必要となります。
ユーロ/円、200日線上側での定着厳しいか（テクニカル分析）
ユーロ/円は21日線にサポートされて全体的には悪くない状態ですが、200日移動平均線の上側での推移が短時間だったこともあり、上方向の重さが意識されやすいです。再度、200日線を越えて165円台での定着が叶えば167.00円付近までの上昇を期待できそうですが、200日線越えに失敗すれば、日足一目均衡表・基準線が推移する161.50円レベルまでの調整が意識され始めるかもしれません。
また、ポンド/円は日足一目均衡表では三役好転の状態で、買いシグナルが点灯し始めています。しかし、期間3日のスローストキャスティクスでは80％を下回ってデッドクロスが出現しているほか、ダイバージェンスが警戒される格好で、積極的に買い進めづらいチャート形状と思われます。日足一目の雲上限もこの先、低下しサポート力も限定されそうなため、少し深く構えて押し目買いのポイントを探したいと、考えています。
【ユーロ/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ：EUR/JPY：161.000-167.000
【ポンド/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ：GBP/JPY：189.000-199.000
10/28 週のイベント:
一言コメント
いよいよ総選挙ですね。結果次第で週明けの相場が手をつけられなくなることもあり、週明けの動きにビクビクしています。
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