読む前にチェック!最新FX為替情報

読む前にチェック!
最新FX為替情報
CFD銘柄を追加!

スプレッド
始値比
  • H
  • L
FX/為替レート一覧 FX/為替チャート一覧 株価指数/商品CFDレート一覧 株価指数/商品CFDチャート一覧

来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪政府の支援策は諸刃の剣?豪四半期CPIと小売売上高はどうなる?」ハロンズ FX 2024/10/26 #外為ドキッ

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/g/gaitamesk/20220325/20220325130808.png

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
日々、為替情報発信中!

今週の振り返り

今週の豪ドル/円は100.19円前後で、ニュージーランド(NZ)ドル/円は90.74円前後で週初を迎えました。今週は豪州、NZ、そして両国と交易関係の強い中国で主要な経済指標の発表がなかったことから、独自の材料での値動きは乏しかったです。一方で、11月5日に米大統領選を控え、トランプ氏の勝利とレッドスウィープ(共和党が大統領職と上下院の過半数を獲得すること)となる可能性が高まっているとの警戒感から、全般的に米ドルが買われました。23日には米ドル/円が大幅に上昇した影響から、豪ドル/円は101.69円前後、NZドル/円は92.05円前後まで上値を伸ばしました。一方で、米ドルが強かったため豪ドル、NZドルは対米ドルで下落しました(執筆時)。

豪四半期CPIは大幅な低下となるか?

来週は30日(水)に豪7-9月期消費者物価指数(CPI)と9月CPIが発表されます。豪州の月次CPIを見ると、8月に前年比+2.7%へと伸びが鈍化。ついに豪準備銀行(RBA)が目標とする2~3%レンジ内へと低下してきました。ただ、これは豪政府のエネルギー料金救済基金による、電気料金の低下や、ガソリン価格の下落によるところが大きかったです。自動車燃料と電気代などを除外した8月のコアCPI(トリム平均)は+3.4%と7月の+3.8%から伸びが鈍化したものの、依然としてRBAの目標の上限を超えています。今回はRBAが重視する四半期CPIが発表されます(7-9月期)。総合のCPIは月次CPI同様に前期の+3.8%から+3.0%へと大きな鈍化が予想されています。ただしこれは前述の通り、政府の支援策によるところが大きいです。またガソリン価格についても、WTI原油価格を見ると9月は前年と比べ、最大で1バレルあたり$30近く低下となっています。仮に、7-9月期CPIが市場予想の+3.0%を下回ったとしても額面通りに受け止められそうにありません。注目は7-9月期のコアCPI(トリム平均)となります。現時点でブルームバーグのエコノミスト予想では前期の+3.9%から+3.5%へと伸びの鈍化が予想されています。ただし、執筆時点では前回発表時と比べると5分の1程度しかエコノミストの予想が集まっていません。これから指標発表前までに各エコノミストが予想を提出することが想定されますので、市場予想は指標発表直前のものを参考にしましょう。

【表1. 豪四半期CPIと四半期CPIトリム平均の推移】

消費の強さは一時的なもの?

来週は31日に豪9月小売売上高も発表されます。8月分は冬にしては温暖な気候だったこと(豪州は南半球なので夏冬が北半球と逆)や、豪政府の減税政策の恩恵を受けて市場予想の横ばいに対して大きく売上高を伸ばしました。この伸びの一部には温暖な気候のため、春に購入される商品を前倒しで購入していたこともわかっています。そのため、9月分では期待ほど小売売上高が伸びない可能性が考えられます。過去20年を見ても、8月の消費が堅調だったときは9月の消費が低迷しやすい傾向があります。
一方で、前述の政府による減税政策が消費を後押ししている可能性もあります。懸念点は、消費が堅調すぎるとインフレが再加速しかねないことです。豪政府の一連の支援策によりエネルギー価格は低下しています。しかし、堅調な消費がモノやサービス価格の上昇にもつながりやすいということです。つまり、総合のCPIは下がりやすい一方で、RBAが重視しているコアCPI(トリム平均)の低下は期待ほどではない、もしくは反発の可能性もあるということです。
ブルームバーグのエコノミスト予想は豪7-9月期CPI同様に出揃っていません。豪州の消費が堅調さを維持しているか、それとも強いのは一時的なものだったのか、今後を見通すうえでも注目です。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は200日移動平均線付近での動きが続いています。8月初旬の安値と9月中旬の安値でダブルボトムが完成し、9月初旬の高値を上抜けたことでネックラインを抜けたとも受け止めることが出来ます。ネックラインだった99.86円前後が引き続き目先の下値目途となりそうです。この水準を下抜けた場合は日足一目均衡表の雲上限が次のサポートになりそうですが、来週は雲上限が下降していくことから下値余地も拡大しそうです。一方で目先の上値目途は101.40円前後です。この水準は10月3,4,7日の高値のほか、7月高値と8月安値を結んだフィボナッチリトレースメントの半値戻しの水準でもあります(8月5日の長い下ヒゲは考慮しない)。今週は101.69円前後まで上昇していますが、終値ベースでは抜けきれていませんので、終値ベースで上抜ければ更なる上昇が期待できそうです。その上の水準では同フィボナッチ61.8%戻しの103.25円前後が目途となりそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表、200日移動平均線】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:98.50-102.50、NZD/JPY:89.50-92.50

10/28週のイベント:

10/30 (水) 09:30 豪 7-9月期四半期消費者物価(CPI)
10/30 (水) 09:30 豪 9月消費者物価指数(CPI)
10/31 (木) 09:00 NZ 10月ANZ企業信頼感
10/31 (木) 09:30 豪 7-9月期四半期輸入物価指数
10/31 (木) 09:30 豪 9月住宅建設許可件数
10/31 (木) 09:30 豪 9月小売売上高
10/31 (木) 10:30 中国 10月製造業購買担当者景気指数(PMI)
10/31 (木) 10:30 中国 10月非製造業購買担当者景気指数(PMI)
11/01 (金) 06:45 NZ 9月住宅建設許可件数
11/01 (金) 09:30 豪 7-9月期四半期卸売物価指数(PPI)
11/01 (金) 10:45 中国 10月財新製造業購買担当者景気指数(PMI)

一言コメント:

息子が少年野球チームの体験に行っています。私も「少しでもお手伝いをしよう」と思い、子供たちがバッティング練習をする際にはボール拾いをしました。守備練習をしているようなものなので、当日夜には筋肉痛になりましたがよい運動でした。

お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信

外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

12時からのFXライブ解説 配信チャンネルはコチラ

 

 
nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。