主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年10月18日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼17日(木)の為替相場
(1):きわめて良好な豪雇用統計
(2):ECB 予想通りの利下げ
(3):堅調な米小売売上高
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:151円台前半まで上値余地拡大/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
17日(木)の為替相場
期間:17日(木)午前6時10分~18日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):きわめて良好な豪雇用統計
豪9月新規雇用者数は6.41万人増と市場予想(2.50万人増)を大幅に上回り、失業率は4.1%と市場予想(4.2%)を下回った。また、労働参加率は67.2%へ上昇して過去最高を更新した。きわめて良好な豪9月雇用統計を受けて豪中銀(RBA)の年内利下げ観測が後退。豪ドルは上昇した。ただ、一巡後は中国政府が公表した不動産市場支援策が期待外れだったとして上海株や香港株が下落したため豪ドルは伸び悩んだ。
(2):ECB 予想通りの利下げ
欧州中銀(ECB)は大方の予想通りに政策金利(預金ファシリティ金利)を3.50%から3.25%に引き下げた。声明では「物価に関するデータは、インフレの抑制が順調に進んでいることを示している」とした上で「目標を達成するために必要な限り、金利を景気抑制的な水準に維持する」と表明。今後の金融政策については「データに基づき、会合ごとに判断する」との姿勢を維持した。その後ラガルド総裁は会見で「成長へのリスクは依然として下振れ方向に傾いている」としつつも「リセッション(景気後退)は想定していない」「我々はソフトランディングを見込んでいる」と述べた。
(3):堅調な米小売売上高
米9月小売売上高は前月比+0.4%、自動車を除いた売上高は前月比+0.5%といずれも市場予想(+0.3%、+0.1%)を上回った。国内総生産(GDP)の算出に使用されるコア売上高(自動車、ガソリン、建材、外食を除く)も前月比+0.7%と市場予想(+0.3%)を大幅に上回った。同時に発表された米新規失業保険申請件数は24.1万件と市場予想(25.9万件)を下回り、前週(26.0万件)から減少した。
17日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:151円台前半まで上値余地拡大
昨日のドル/円は2カ月半ぶりに150円台を回復。米9月小売売上高が予想を上回った上に米新規失業保険申請件数が予想以上に減少したことを受けてドル買いが強まった。米景気の底堅さが示されたことで利下げ観測が後退する中、8月1日以来の高値となる150.32円前後まで上伸。この日の安値は東京市場で付けた149.24円前後だった。心理的節目の150.00円を突破したことでチャート上の上値余地は200日移動平均線が通る151円台前半まで拡大したと考えられる。なお、米連邦準備制度理事会(FRB)が11月の利下げを見送るとの見方が再浮上しており、「FedWatch」が示す11月の金利据え置きの確率は前日の6.3%から12.3%に上昇。また、アトランタ連銀の予測モデル「GDPNow」が示す7-9月期の米経済成長率は3.4%に高まった。こうした中、ドル/円は本日も堅調推移が見込まれる。材料面では、内田日銀副総裁のあいさつやウォラーFRB理事の講演に注目したい。
注目の経済指標:中国GDP
注目のイベント:FRB高官発言
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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