読む前にチェック!最新FX為替情報

読む前にチェック!
最新FX為替情報
CFD銘柄を追加!

スプレッド
始値比
  • H
  • L
FX/為替レート一覧 FX/為替チャート一覧 株価指数/商品CFDレート一覧 株価指数/商品CFDチャート一覧

ドル/円の10月見通し「米雇用関連指標に強く反応」

【外為総研 House View】

House View

執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼ドル/円
・ドル/円の基調と予想レンジ
・ドル/円 9月の推移
・9月の各市場
・9月のドル/円ポジション動向
・10月の日・米注目イベント
・ドル/円 10月の見通し

ドル/円

ドル/円の基調と予想レンジ

ドル/円 9月の推移

9月のドル/円相場は139.576~147.198円のレンジで推移し、月間の終値ベースで約1.7%下落(ドル安・円高)した。米8月雇用統計や同消費者物価指数(CPI)の結果から、連邦公開市場委員会(FOMC)は利下げ幅を25bp(0.25%ポイント)にとどめるとの見方が強まっていたが、12日の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の観測記事や翌13日のダドリー前NY連銀総裁の発言(50bpの利下げに強い論拠がある)によって50bp利下げを織り込む動きが強まった。これを受けて16日には140円台を割り込んでドル安が進行。ドル/円は139.58円前後まで下落して年初来安値を更新した。もっとも、18日のFOMCで実際に50bpの利下げが決まり、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が追加の大幅利下げに慎重な考えを示すとドルは持ち直した。日銀の植田総裁が追加利上げに慎重な姿勢を示すと20日には円売り主導で144円台を回復。その後も底堅く推移し27日には自民党総裁選で高市氏が勝利するとの見方に傾くと一時146円台へ反発した。ただ、自民党総裁選は石破氏が逆転で勝利。ドル/円は「高市トレード」の巻き戻しで142円台に反落。ただ、30日にはパウエルFRB議長が今後の利下げペースについて18日のFOMC後の会見と同様の発言を行ったことなどから143円台にやや値を戻して9月の取引を終えた。

始値 高値 安値 終値
146.115 147.198 139.576 143.663


出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

4日
米7月JOLTS求人件数は767.3万件と市場予想(810.0万件)を大幅に下回った。6月分も27.4万件下方修正され791.0万件となった。

5日
米8月ADP全国雇用者数は9.9万人増と市場予想(14.5万人増)を下回り、増加幅は2021年1月以来の低水準となった。一方、その後に発表された米新規失業保険申請件数は22.7万件と市場予想(23.0万件)より少なく、前週(23.2万件)から減少した。米8月ISM非製造業景況指数は51.5と市場予想および前回の51.4を僅かに上回った。

6日
米8月雇用統計で、非農業部門雇用者数は14.2万人増と市場予想(16.5万人増)を下回った。前月の雇用者数は11.4万人増から8.9万人増に下方修正された。8月失業率は4.2%と市場予想通りに前月の4.3%から低下。同平均時給は前月比+0.4%、前年比+3.8%といずれも市場予想(+0.3%、+3.7%)を上回った。

11日
米8月CPIは前月比+0.2%、前年比+2.5%と予想通りで、前年比の伸び率は前月の+2.9%から鈍化した。一方、食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比+3.2%と前月と同率で予想通りに高止まりした。

12日
米紙WSJは、FRBが来週の会合で利下げを行うことは確定的だが、どの程度引き下げるかについては微妙な情勢だとし、「当局者は今後数カ月間に複数回の利下げを実施できるという自信を深めていることから、従来ペースの25bpの利下げにするか、それとも50bpの利下げにするかという問題に直面している」と報じた。

18日
FOMCは政策金利であるFF金利の誘導目標を50bp引き下げて4.75-5.00%にすると発表。声明では「雇用とインフレの目標達成に対するリスクはほぼ均衡している」とした上で「委員会は最大限の雇用を支え、インフレ率を目標の2%に戻すことに強くコミットしている」と表明した。パウエルFRB議長は記者会見で「我々はあらかじめ定めた路線を進んでいるわけではない。決定は依然として会合ごとに下す。我々は時期尚早な緩和がインフレに関する進捗を妨げる可能性があると理解している。同時に、緩和が遅すぎれば、経済活動と雇用の弱体化につながる」との見解を示した。その上で、今後の利下げペースについて「会合ごとに判断していく。メンバーが利下げを急いでいるという状況ではない」と説明。さらに、「今回の決定(50bp利下げ)を受けて、『これが新たな利下げペースだ』とは誰も捉えるべきではない」と述べた。

20日
日銀は政策金利を予想通りに0.25%に据え置いた。植田総裁はその後の記者会見で「データ等がオントラックなら少しずつ利上げという考えに変わりはない」としながらも「金融資本市場は、引き続き不安定な状況にある」「(円安修正で)物価上振れリスクは相応に低減、海外経済の状況確認していく時間的余裕がある」などと述べて追加利上げに慎重な姿勢を滲ませた。

27日
事実上の次期首相を決める自民党総裁選は決選投票で石破氏が高市氏を逆転。石破氏は緊縮財政志向で増税(中でも金融所得課税の強化)に前向きと見られていることから、株安・円高が進行。第1回目の投票で金融緩和と積極財政を掲げる高市氏がトップ通過となり株高・円安に振れていた反動が強く出た。石破氏はその後のテレビ出演で「政府と日銀は緊密に協力すべき、金融政策に関して日銀に要請はしない」と発言。また「必要であれば財政刺激策を実施する」として市場の緊縮財政懸念について火消しを図った。米8月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前年比+2.2%と2021年2月以来、3年半ぶりの水準に伸びが鈍化。市場予想(+2.3%)も下回った。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは前年比+2.7%と予想通りに前回(+2.6%)から小幅に加速したが、前月比では+0.1%と低い伸びにとどまった(予想+0.2%)。

9月の各市場

9月のドル/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
  • ※ 外為どっとコムのFX口座「外貨ネクストネオ」でお取引をされているお客様のポジション保持情報の比率を表しています。
  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

10月の日・米注目イベント

ドル/円 10月の見通し

 10月のドル/円相場は11月6-7日の次回米連邦公開市場委員会(FOMC)を強く意識した展開となりそうだ。日銀は追加利上げを急がない姿勢を示しており、10月30-31日の金融政策決定会合でも政策金利を据え置く公算が大きいことから、注目度は高くない。いきおい、市場の関心は11月FOMCにおける利下げ幅に向かうだろう。FOMCは「インフレの上振れリスクは低下した一方で、労働市場の下振れリスクは上昇した」との見解を示している。したがって、雇用関連の米経済指標が利下げ幅を巡る市場の思惑を大きく左右することになると考えられる。4日に発表される米9月雇用統計が最大の焦点となることは疑いようがないが、1日の米8月JOLTS求人件数や米9月ISM製造業景況指数(雇用指数)、2日の米9月ADP雇用報告、3日の米9月ISM非製造業景況指数(雇用指数)など、9月雇用統計の前哨戦とも言えるこれらの結果にも注目が集まるだろう。9月末時点で、米金利先物は11月FOMCにおける50bp(0.50%ポイント)利下げを4割弱、25bp利下げを6割強織り込んだ水準で推移。4日の9月雇用統計へと続く月初の一連の雇用関連の米経済指標を消化して、この織り込みがどのように変化するかがドル/円相場のカギとなる。なお、週次の米新規失業保険申請件数が4週平均で減少基調にある点などから米国の労働市場が9月に著しく悪化した可能性は低いと考えられる。したがって、これら月初の雇用関連の米経済指標が概ね予想を上回る結果になっても不思議ではないと見ており、143円台半ばで始まった10月のドル/円は上昇する余地があると見ている。上値の目途は、52週移動平均線が近く心理的節目でもある150.00円。下値の目途は9月安値の139円台半ばと見るが、予想に反する形で雇用関連の米経済指標に悪化が目立てば、再び140円台割れを試すことも考えられる。
(予想レンジ:141.500~150.000円)

お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信

外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

12時からのFXライブ解説 配信チャンネルはコチラ

 

 
kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。