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FOMC大幅利下げの本音|日米金利差縮小でドル円130円方向? 2024/9/20(金)志摩力男

 

日銀金融政策決定会合、植田総裁の会見に注目【外為マーケットビュー】

動画配信期間:2024/9/13~2024/9/27

外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。

動画の内容 抜粋・まとめ

FOMC振り返り

FOMCで0.5%の利下げが決定されました。0.25%なのか0.5%なのかそこがポイントだったんですけれども、ウォールストリートジャーナル紙のニック記者がほとんど0.25%、80%以上の織り込みの段階で0.5%の可能性があることを強く示唆する記事を掲載され、これがおそらくパウエル議長からの何らかのリークなんじゃないかっていうことで、市場は急激に0.5%を織り込みに行きました。
ただ、それが確定的でもなかったということと、エコノミストのほとんど87%は0.25%の利下げを予想しておりました。ところが蓋開けてみるとやっぱり0.5%ということでドル売りが先に入りまして、ドル円は142円のちょうどぐらいから140円の43銭まで落ちたわけなんですが、0.5%利下げするということはFRBは我々が知らない何か景気後退のリセッション入りの予兆を知ってるんじゃないかと感じてるんじゃないかっていうことを警戒したと言いましょうか、警戒だからこそ0.5%利下げなんじゃないかっていう風に警戒するわけですね。それでドル円の売りが強力だったんですけれども、
ところが会見でウォールストリートジャーナルのニック記者が、もしかしたら示し合わせたのかもしれないんですが、0.5%を利下げしたのは労働市場の悪化が理由なのかそれとも単なる正常化の一環なのかという質問をされまして、そこでパウエル議長は「US Economy Is Fine」と、アメリカ経済は順調だと、経済が景気後退するから0.5%利下げしたわけではないと明確におっしゃられました。
これを見てドル円は急激に買い戻しが入りまして、あっという間に142円70銭と、売ったときのスタートのところよりも高いところでその日をクローズしました。一瞬142円前後まで緩んだんですけども、昨日の東京マーケットはこの142円前後から一方的にドル円の買いが入りまして、144円の手前143円の95銭ぐらいまで一気に上昇するということになりました。

ドル円チャートこのドル円上昇の背景なんですが、やはりこれから先アメリカはおそらく3%ぐらいのところまで階段を踏んで利下げしていくことになります。2%以上利下げするのでどう見てもこれはドル円の売り材料にしか見えないんですけれども、しかしながら昨日金利市場で起こったのは、むしろ金利の上昇、特に10年長期金利が上昇しました。
インフレはもう大丈夫と言いながらも、これから緩和を始めるということは景気を刺激する、下支えするということなので、インフレがむしろ低下するというよりは景気が刺激されるので長期金利は上昇圧力がかかります。短期のところは政策金利が低下することでどんどん低下していきます。これまで逆イールドが問題だったんですけども、アメリカの金利のカーブは急激に正常イールドになることになります。

ドットプロット

それとドットプロットなんですけれども、このところ4回利下げ、年末までっていうところ、これがほぼ市場の織り込み通りだったんですけども、来年は3.25%から3.5%のところが中心になってきますが、最終的に2.75%から3%のところに落ちてきます。
これが中立金利、大体2.8%ぐらい、 2.9%っていうところだったんですけども、これは段々回を追うごとに昔2.5%だったのが徐々に徐々に上がってきています。しかも会見でパウエル議長は中立金利は上昇しているとまで言いました。中立金利の上昇に言及したのは初めてだと思うんですけども、いつもは自然失業率はどこにあるか分からないと、中立金利がどこかにある、つまり中立金利はどこにあるのか分からないっていう意味なんですけれども、中立金利上昇に言及されたってことは、それだけ経済に自信があるってことでもあるんですけども、その結果アメリカの長期金利は下がらないっていうことになります。
これが2.8%から2.9%ぐらい、今回2.9%になったんですよね。ロンガーランのところ、これが2.9%になりました。前回が2.8%でした。わずか0.1%とはいえ上昇しました。
2.9%となるとおそらく長期金利は3.5%から下っていうのはそうないんじゃないかと。3.6%とか3.7%が常態になってくるとなると、我々はドルトレードする時に短期金利も見ますけど、長期10年の金利を見ながらトレードすることも多いので、今3.72%まで上昇してますけども、もう下がらないとなるとドル円は下がらないんじゃないかという考え方もあり得る。
まあ昨日はですね下が142円に緩むところもあったんですけども、上は144円近辺ということで、142円-144円のレンジで昨日は激しく上下したもののこんな感じで終わりました。
ただこれから政策金利は3%くらいまで落ちるので、長期金利がそんなに下がらないっていうのもまあ言い過ぎかもしれないんですけども、正常イールドはこれからどんどん進むと。政策金利が3%のところ、長期金利が4%っていう世界もあり得るんじゃないかなとは思います。
それから株価にとってはもちろん間違いなくいいことなので、利下げしてくっていうのはアメリカの株価、昨日は急騰しました。日本の株価にもいいと思います。特にドル円が140円割れのところから144円ぐらいまでリバウンドしてますので、円安そして米国株が上昇っていうのは日本株にとって最も良い条件になります。
しかしなぜ今回0.5%なのかここは不思議なんですけれども、おそらくパウエル議長が強く望んだ。それはやはり新型コロナの後に引き締めが遅れまして、フェッドが引き締めが遅れたことがインフレ高騰の最大の要因だっていう風に批判されました。同じ批判を今回浴びたくないので、利下げの時にもビハインドザカーブと言われたくないと。そうなるといち早く0.5%利下げして、その批判を封じ込めたかったっていうところは本音じゃないかなと思います。

日銀の政策決定会合

本日は日銀の政策決定会合なんですけれども、政策変更はおそらく何もないで、問題は会見のところでなんですが、 15時半から植田総裁会見があります。日銀の審議委員の方々が口を揃えて金融緩和の度合を調整すると、つまり若干利上げしていくということをずっとおっしゃられました。高田さんもそうおっしゃられましたし、中村さん、それから田村さん。田村さんは中立金利の1%まで2026年までには引き上げたい意向を示されました。ちょっとこれは高すぎるんじゃないかなと思うんですけども、本日植田総裁がどうおっしゃられるか、それがポイントだと思います。
アメリカが利下げする時に日銀が引き締め方向を強く強調すると、ドル円はやっぱり下げ圧力がかかるんじゃないかなと思います。先ほどあの長期金利が上がるからドル円そんなに下がらないんじゃないかっていう意見を言ったんですけども、ただそうは言ってもこれからアメリカの政策金利は3%になり、日本がどこかで0.5%っていうことになると、これまで金利差が5.25%だったのが2.5%ぐらいになります
これまでスワップが1日2.2銭とか2.3銭とかついてたんですが、これが1.1とかそんな感じになるんじゃないですかね。1%ぐらいの世界がもう見えてきてるわけですね、1年後に。そうなるとスワップがすごく魅力なくなりますね。そうなるとやっぱりドル円っていうのはやっぱり130円ぐらいのところまで下げていかないといけないんじゃないかな。そういう気持ちも出てきますね。

動画目次

0:00 FOMC振り返り
7:04 日銀の金融政策決定会合と円相場

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志摩力男氏96_130.jpg 志摩力男 氏
慶應義塾経済学部卒。1988年ー1995年ゴールドマン・サックス、2006-2008年ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任、その後香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立した後も、世界各地の有力トレーダーと交流があり、現在も現役トレーダーとして活躍。
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