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【市場概況】東京為替見通し=ドル円、日本の8月コアCPIと植田日銀総裁の会見に要注目か

19日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、前週分の米新規失業保険申請件数や9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想より強い内容だったことで一時143.77円付近まで上昇した。しかし、米10年債利回りが3.76%台から3.71%台まで低下したことで、142.53円付近まで下押しした。ユーロドルは、独株式指数(DAX)が史上最高値を更新したことなどで、一時1.1179ドルまで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、日本の8月の消費者物価指数(CPI)を見極めた後は、現状維持が予想されている日銀金融政策決定会合後の植田日銀総裁の記者会見に注目することになる。

 8時30分に発表される日本の8月のコアCPIは、前年比+2.8%と予想されており、7月+2.7%からの伸び率上昇の見込み。予想通りであれば、15時30分から予定されている植田日銀総裁の記者会見で、これまでの見解「物価の見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整」する方針が再強調され、年内の追加利上げに言及する可能性が高まるか。

 植田日銀総裁は、7月31日の日銀金融政策決定会合後の記者会見、8月23日の衆参両院で開催された閉会中審査、9月3日の経済財政諮問会議で、このタカ派的な見解に言及していた。さらに、ドル円が139円台から143円台へ反発し、日経平均株価も37000円台に乗せているため、タカ派的な見解を述べやすい相場状況にもなっている。

 昨日から本日にかけて開催されている日銀金融政策決定会合では、来週27日の自民党総裁選挙の投開票を控えて、現状維持が見込まれている。記者会見での注目ポイントとしては、新政権の下での早期の衆院解散・総選挙の可能性や新政権の経済・財政政策、米大統領選といった内外政治情勢が金融政策運営に及ぼす影響への言及となる。

 リスクシナリオとしては、来週の自民党総裁選挙の投開票に配慮して、8月7日の内田日銀副総裁のハト派的な見解「株価や為替相場が不安定な状況で利上げは行わず、当面は現行の金融緩和を維持する」に言及した場合となる。この場合は、ドル円と日経平均株価の買い戻しに拍車がかかるだろう。


(山下)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ