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「FOMCでの大幅利下げの可能性再浮上!金(ゴールド)が史上最高値更新!|週刊 米ドルと相性抜群ランキング 2024/9/15

 

外為どっとコムが提供するCFDサービス「CFDネクスト」の各銘柄(WTI原油、金スポット、銀スポット、天然ガス)と米ドルの「相性」(相関性)をランキング形式でまとめました。銘柄ごとの変動要因についても簡素にまとめています。

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉

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「米ドルとの相性抜群ランキング」(過去1週間の対米ドルでの相関係数)

順位 CFD銘柄 相関係数
1 WTI原油 -0.56
2 天然ガス -0.31
3 金スポット 0.00
4 銀スポット 0.05

集計期間中(9/6~9/12)米ドルと負の相関が強かったCFD銘柄はWTI原油だった。米ドルの動向が直接的に原油価格の動きに影響を与えた場面は少なかった。米国や中国の景気減速による原油の需要減退懸念や、天候の影響による供給懸念が原油価格の動向に影響を与えた。
また金スポット価格は期間を通して正負の相関は出なかったが、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅(0.50%)利下げの可能性が報じられた期間後半には米国債に代わる運用資産の逃避先として金スポットが買われた。金スポット価格は13日に2500ドル台後半(執筆時)まで上値を伸ばし、史上最高値を更新している。

米ドルの他通貨に対する相対的な強弱を示すドルインデックスは期間中に0.19%上昇した。


※米ドル建てで取引される資源は一般的に米ドルの動向と負の相関(逆相関)が強いと言われている
数値が-1.0に近いほど米ドルの動きが直近の価格動向に影響を与えていたと考えられる
※資源価格は需給など様々な材料の影響で変動するため、必ずしも米ドルと負の相関関係が続くわけではない

WTI原油の変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:WTI原油価格は、米中の景気減速懸念で年初来安値を更新

原油相場の変動要因は以下の通り

NEW!・期間中のWTI原油は0.61%下落した
NEW!・米エネルギー省の週報で米国内の原油とガソリンの在庫はともに前週から積み増し。積み増し量は市場予想を上回った
NEW!・米中の景気先行き不安から売りが先行。10日には年初来安値となる1バレル=65ドル台まで下落した
NEW!・11日に米ルイジアナ州にハリケーンが上陸。米国のメキシコ湾岸の一部の石油関連施設が操業を停止。短期的に原油の供給が減少するとの見方が買い材料になった
    ・石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成されるOPECプラスは10月から計画されていた供給拡大を2カ月遅らせる方針を決めた
    ・レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラがイスラエルに大規模攻撃を実施した。これにより中東の地政学リスクが高まっている 

天然ガスの変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:天然ガスは、予想ほど国内在庫が増加せず

天然ガス相場の変動要因は以下の通り

NEW!・期間中の天然ガスは6.45%上昇した
NEW!・米エネルギー情報局(EIA)の週報では、米国内の天然ガス貯蔵量は40Bcfの増加。市場予想は46.64Bcfの増加だった。過去5年平均を約10%上回っている(9/6時点)
※Bcf=10億立方フィート
NEW!・EIAが公表した短期見通しでは、天然ガスの価格は9月、10月は比較的横ばいとなり、2025年には全般的に上昇すると予想している
    ・米国内のLNG施設の停止で、米国内で供給過剰が起きている
    ・米バイデン政権は2024年1月にLNGが環境に与える影響を評価するためにLNGを新たに輸出する際の許可を一時的に凍結    

金(ゴールド)スポットの変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:金(ゴールド)スポット価格は、米国景気悪化懸念が支え

金(ゴールド)スポット相場の変動要因は以下の通り

NEW!・期間中の金スポット価格は1.68%上昇した
NEW!・9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での50bp(0.50%ポイント)利下げの可能性が再浮上。運用資産の逃避先として金の需要が高まった
NEW!・金価格は9月12日に一時1トロイオンス=2574.40ドルまで上昇し史上最高値を更新した(※執筆時点での高値)
    ・中東やウクライナの紛争による先行き不透明感により逃避先としての金の需要が増している
    ・中国やインドでの需要は引き続き強い
     

銀スポットの変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:銀スポット価格は、米ドル安の流れに乗る

銀スポット相場の変動要因は以下の通り

NEW!・期間中の銀スポット価格は3.75%上昇した
    ・中国の製造業の回復と太陽光パネルの需要増加から銀価格の上昇を後押し
    ・金同様に装飾需要がある
    ・幅広い産業需要があり、需要の5割以上が工業用需要。そのため経済が上向くと銀の需要が増える
    ・太陽光パネルなど幅広く使われているため、ここ数年は供給不足気味
    ・価格が低い分変動率が大きくなってしまう

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nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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