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メキシコペソ/円 見通し「9日CPIは鈍化の予想...司法制度改革法案の審議開始も」注目の高金利通貨 9月8日号

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メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。

作成日時 :2024年9月6日16時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter)@KandaTakuya

執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也

メキシコペソ/円(4時間足)

※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照

先週のメキシコペソ/円は軟調な展開

 2日こそ7.490円前後まで上昇しましたが、以降は下げに転じました。3日には米8月ISM製造業景況指数の悪化を受けて米国株が大幅に下落する中、7.26円台へと軟化。4日も米7月JOLTS求人件数の悪化を受けて7.20円台に続落すると、5日には米8月ADP全国雇用者数の下振れで7.089円前後まで下値を拡大しました。売り一巡後は7.20円台を回復する場面もありましたが、6日の東京市場では再び7.10円台に押し戻されるなど、上値の重い動きが続いています。先週は、メキシコの隣国であり最大の輸出先である米国の景気後退懸念がペソ売り材料として意識された上に、メキシコの主要輸出品である原油価格の下落もペソの重しとなったようです。世界的な景気減速で需要が減退するとの観測が根強く、先週のNY原油先物(WTI)は最大で6.5%値下がりしました。

今週のメキシコペソ/円の注目ポイントは8月CPIとメキシコ議会

 今週9日にメキシコ8月消費者物価指数(CPI)が発表されます。市場予想によると前年比+5.05%と7月の+5.57%から鈍化する見通しです。メキシコ中銀の追加利下げを巡る判断にも影響する可能性があるだけに8月CPIに注目が集まりそうです。また、8月のペソ下落の一因となったメキシコの司法制度改革案の議会審議が今週にも始まる可能性があります。ロペスオブラドール大統領が推し進める同案には、最高裁を含む判事の公選制が盛り込まれており、成立すれば政権に近い人物が判事に選ばれやすくなることから民主主義の大きなリスクになるとの見方が強まっています。同案を巡る議会審議の行方もペソ相場の動きに影響する公算です。

来週のメキシコペソ/円の見通し

予想レンジ
7.000-7.300円
基調
上値重い

来週の注目ポイント
☆9/9 メキシコ8月CPI
☆--- メキシコ議会、司法制度改革案審議
主要国株価、国際商品価格

 

メキシコペソ/円(MXN/JPY) FX為替レート・チャート

 
kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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