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ドル・円の強弱逆転!FX個人投資家が予想する2024年のドル円最安値は「140~145円」が最多【外為短観 第183回】

外為短観ロゴ

<第183回>2024年8月31日

外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。

分析・レポート作成
外為どっとコム総合研究所

調査実施期間
2024年8月23日(金)13:00~2024年8月27日(火)24:00

調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。

調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は542件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。

 

問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。

「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が17.9%であったのに対し「円高・米ドル安」と答えた割合は55.0%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は▼37.1%ポイントと前月の▼1.3%ポイントからマイナス幅が大きく拡大した。

調査期間前後の米ドル/円相場は、米ジャクソンホール会議で米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が「政策を調整する時が来た」などと発言し9月会合での利下げを示唆したことから3週間ぶりに143円台に下落した。9月の利下げ幅が25bp(0.25%ポイント)ではなく50bpになるとの見方もくすぶる中で、個人投資家は円高・米ドル安方向に動くとの見方を強めているようだ。

今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が160.00円、最安値が132.00円となり、高値の平均値は148.93円、安値の平均値は141.17円であった。高値の中央値は149.00円、安値の中央値は141.00円だった。実勢レートが前回調査時(最終日)から11.6円程度切り下がったのに対して高値・安値の予想中央値も11~14円程度、円高・ドル安方向にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が、17.0%であったのに対し「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は44.3%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は▼26.3%ポイントとなり、前月の▼3.2%ポイントからマイナス幅が拡大した。

調査期間前後のユーロ/円相場は、植田日銀総裁が衆院の閉会中審査で金融政策を正常化する方針を改めて示したことで円買いが優勢となり160円台半ばまで弱含んだ。欧州中銀(ECB)が9月の理事会で追加利下げを決定するとの思惑も相まって、当面は円高・ユーロ安と見る個人投資家が増加したようだ。

今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が170.00円、最安値が143.00円となり、高値の平均値は163.60円、安値の平均値は155.93円であった。高値の中央値は164.00円、安値の中央値は156.00円であった。前月調査時(最終日)から実勢レートが8円程度切り下がった一方で、高値と安値の予想中央値は10~13円程度、円高・ユーロ安方向にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が、19.4%であったのに対し「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は39.7%であった。この結果「豪ドル/円予想DI」は▼20.3%ポイントとなり、前月の△0.3%ポイントから弱気を示すマイナスに転じた。

調査期間前後の豪ドル/円相場は、日銀による年内追加利下げの可能性が浮上したことから、円買い主導で97.20円台に弱含む場面もあったが、豪中銀(RBA)の利下げ観測が後退する中で下値は堅かった。ただ、個人投資家は円強気の姿勢を強めている模様で、豪ドルに対しても円が強くなると考えているようだ。

今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が105.00円、最安値が88.00円となり、高値の平均値は99.46円、安値の平均値は93.15円であった。高値の中央値は99.25円、安値の中央値は93.00円だった。前月調査時(最終日)と比べ実勢レートが5円程度切り下がった一方で、高値と安値の予想中央値は7~9円程度、円高・豪ドル安方向にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が、19.0%であったのに対し「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は41.5%であった。この結果「英ポンド/円予想DI」は▼22.5%ポイントとなり、前月の△0.9%ポイントから弱気を示すマイナスに転じた。

調査期間前後の英ポンド/円相場は、植田日銀総裁が金融政策正常化の方針を改めて示したことから円高主導で一時190円台を割り込んだ。ただ、ドルに対して英ポンドが上昇したため英ポンド/円の下値は限定的だった。個人投資家は、円高主導の英ポンド安基調が続くと見ているようだ。

今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が200.00円、最安値が172.00円となり、高値の平均値は193.57円、安値の平均値は183.99円であった。高値の中央値は193.00円、安値の中央値は185.00円だった。前月調査(最終日)から実勢レートが10円程度切り下がったのに対して予想中央値は前回から14~15円程度の下方シフトとなった。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか

今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が46.7%で最も多かった。次いで「米ドル」が21.2%、以下「ユーロ(6.3%)」、「トルコリラ(6.1%)」、「英ポンド(4.8%)」、「豪ドル(4.6%)」、「スイスフラン(3.1%)」と続いた。

今回は「円」が首位の座を「米ドル」から奪回。それも圧倒的な大差を付けての返り咲きとなった。日銀の追加利上げ観測などを背景として、7月以降に円高方向へ大きく振れたことで、個人投資家の「円」に対する見方が大きく変化したようだ。7月までは円独歩安の様相だっただけに、反動による一段の上昇を見込む向きが増えたと考えられる。

自由記述形式で「円」と答えた理由を尋ねたところ、やはり「これまで円が安すぎた」、「行き過ぎた円安の調整」、「相対的に売られすぎた」との声が多く上がっており、そのほか「日銀の利上げで金利差が縮小に向かう」との意見や、「日銀が利上げする一方でFRBは利下げを行う」との意見が出ていた。

問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか

問5とは反対に、今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が48.5%と最も多かった。次いで「円」が21.6%、さらに「メキシコペソ(6.1%)」、「トルコリラ(5.0%)」、「ユーロ(4.6%)」、「中国人民元(4.1%)」、「豪ドル(2.8%)」と続いた。

今回は「米ドル」が「円」を逆転して首位となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がジャクソンホール会議で「利下げの時が来た」と宣言したことで、個人投資家の「米ドル」先安観が高まったと見られる。

「米ドル」と回答した理由を自由記述形式で尋ねたところ、「利下げサイクルに入る」などと、FRBの利下げに絡む意見が圧倒的に多かった。そのほか、「米国景気が後退」、「大統領選を巡る不透明感」などを挙げる向きも少なくなかった。

問7:日銀は政策金利(無担保コール・オーバーナイトレート)を最終的にどこまで引き上げると思いますか

今回の特別質問として「日銀は政策金利(無担保コール・オーバーナイトレート)を最終的にどこまで引き上げると思いますか」と尋ねたところ、「0.25%(現状維持)」が29.9%と最も多かった。僅差で「0.50%」が27.9%で続き、以降「1.00%」が18.3%、「0.75%」が14.2%となり、「1.25%以上」は9.8%だった。

「日銀の利上げは7月で打ち止め、もしくはあってもあと1回」との見方が半数以上に上ったことになる。さらには、70%超の回答者が「日銀の政策金利は1%を超えない」と見ていることがわかった。もっとも、本邦金利市場でも年内の利上げ織り込みは2割程度にとどまっており、来年7月時点でようやく1回の利上げを織り込んでいるに過ぎない。その意味では、個人投資家と金利市場の見方に大きな齟齬はないと言えるだろう。

問8:ドル/円相場について、今年の最安値(円の最高値)はどの水準になると思いますか

今回のふたつ目の特別質問として「ドル/円相場について、今年の最安値(円の最高値)はどの水準になると思いますか」と尋ねたところ、「140~145円」が36.7%と最も多かった。次いで「135~140円」が33.9%、以下「130~135円」が16.2%、「125~130円」が7.9%、「120円以下」が2.8%、「120~125円」が2.4%と続いた。

今年これまでの米ドル/円の安値は年始に付けた140.80円付近であるが、今回の調査ではこの水準を年内に下抜けることはないとの見方が多かったことになる。

「140~145円」を今年の最安値と予想した理由については、「FOMCの利下げは織り込み済み」のため米ドルの下落余地は限定的との見方や、「日銀の追加利上げは困難」で円高の余地は小さいとの見方が示された。そのほか「日本が弱く、米国が強いという経済の構図は変わらない」との声もあった。

本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、株式会社外為どっとコム総合研究所ならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。 Copyright©2024Gaitame.com Research Institute Ltd. All Rights Reserved. https://gaitamesk.com/
 
kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
uehara.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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