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トルコリラ今後の見通し「リラ円は史上最安値更新!トルコリラに何が起こっている?」 2024年8月29日

買いどき?指数はトルコリラの上昇・下落のパワーを視覚化したものです。ミニマム(MIN)はポジション保有は慎重に、マックス(MAX)はポジション保有の好機、を表しています。現況のマーケットを俯瞰しての分析であり、投資の判断はご自身でおこなっていただけます様、お願いいたします。

高金利通貨であるトルコリラについて、中長期にわたり買いポジションを保有する場合に知っておきたい情報、投資を行う視点で、現在の市場を分析します。

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X:@gaitamesk_naka

トルコリラ/円 上昇・下落のパワーバランス

トルコリラ/円をトレードするうえで重要となる経済指標やイベントを個別に点検します。

トルコ中銀は3月に政策金利を50.0%へ引き上げた後、5会合連続で金利を据え置いている。トルコ中銀は金融引き締めが遅れた影響を考慮して金利据え置きを決定。インフレの上振れリスクに対して慎重な姿勢を改めて示した。ただ、一部では年内利下げ観測が根強く残っている。次回会合は9月19日

8月5日に発表されたトルコ7月消費者物価指数は前年比+61.78%で9カ月ぶりの水準へ低下した。5月(+75.45%)から2カ月連続でインフレの伸びは減速を示している。トルコ中銀の四半期報告では、2024年末のインフレ率を+38%と予測している。

イスラエルがパレスチナ自治区ガザへ攻撃を開始して以来、エルドアン大統領は親パレスチナ、親ハマスの姿勢を打ち出してきた。一時は戦争への介入を示唆したほどだ。中東情勢をめぐる不透明感が高まる中で、トルコへの積極的な投資が控えられる一因となっているようだ。

パワーバランス まとめ

トルコのインフレは前月から鈍化を示しているが依然として前年比+60%を超えている。こうした状況で中銀総裁が引き締め政策の維持を表明していることはポジティブ材料。ただし、政策金利からインフレ率を差し引いた実質金利は依然としてマイナス。一方で、エルドアン大統領が介入をほのめかすなど、親パレスチナの姿勢を示している。パレスチナ情勢を巡る中東の地政学的な不透明感はトルコリラの重しとなる。

トルコリラ/円、いまが買いどき?

トルコ中銀は3月に利上げを実施し政策金利は50.00%。インフレが鈍化の兆しを見せているが、実質金利は-11.78%でトルコ国外からの投資を呼び込みにくい状態が続く。中銀総裁は引き締め政策を維持する方針を示していることはポジティブ材料だが、一部市場では年内利下げ開始の見方も根強く残っている。エルドアン大統領のパレスチナに関する発言には引き続き注意が必要だろう。当面トルコリラ/円が大きく変われる要因は少なく、トルコリラは対米ドルなどで史上最安値を更新していることから、引き続き急落リスクのほうが大きいとみる。トルコリラに投資をするのであるなら、余裕を持った長期的な投資をお勧めする。

買いどき?指数はトルコリラの上昇・下落のパワーを視覚化したものです。ミニマム(MIN)はポジション保有は慎重に、マックス(MAX)はポジション保有の好機、を表しています。現況のマーケットを俯瞰しての分析であり、投資の判断はご自身でおこなっていただけます様、お願いいたします。

最新のトルコリラ/円チャート

トルコリラに関する経済指標予定

9月2日 16:00 トルコ4-6月期国内総生産(GDP)
9月3日 16:00 トルコ8月消費者物価指数(CPI)
9月19日 20:00  トルコ中銀政策金利発表

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www.gaitame.com

 

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店頭FX(外国為替保証金取引)における新興国通貨取引のリスクについて
当社取扱通貨のうち、いわゆる新興国通貨に分類されるトルコリラ・南アフリカランドおよびメキシコペソ(MXN)はインターバンク(銀行間為替市場)における流動性が主要国通貨に比べ相対的に低く、経済指標発表のみならず金融政策変更やその他政治的要因、さらには地政学的リスク等の要因による突発的な相場急変動が起こりやすい環境下にございます。また、こうした急変動時には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ大幅に拡大する傾向にあり、その場合には当社でもやむなく提示スプレッドを一時的に拡大することがございます。あわせて、相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。これら新興国通貨のお取引、およびこれらを対象とするキャンペーンへのご参加に際しては、以上につきあらかじめご留意のうえ、ポジション保有時、特に法人会員様の高レバレッジ取引における口座管理には十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。以上の新興国通貨それぞれのリスク、および直近時点でのリスクレポートにつきましては、こちらのページをご参照願います。
新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
 
nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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